抗がん剤の副作用で歩けなくなった60代男性…「がんと共に生きる」を支える
肺がんの治療で抗がん剤を投与されている60代後半の男性が、私たちのクリニックで在宅医療を始めることになりました。
どんながんも、最初はひとつのがん細胞から始まります。その細胞が分裂を繰り返して増殖し、やがて目に見える大きさの「臨床がん」へと成長していきます。しかし、臨床がんは均一ながん細胞で構成されているわけではありません。性質の異なる複数のがん細胞が組み合わさってできた集合体なのです。
しかも、その組み合わせは患者さんによって異なります。そのため、使用する抗がん剤の種類や組み合わせも、一人一人の状態に応じて変わってきます。こうしたがんの多様性が、がん治療を根本的に難しくしている理由のひとつです。
一方、近年はがんの多様性に関する研究が進み、それぞれのがんの特性に応じた抗がん剤も増えてきました。ただし、治療効果が高い一方で、副作用が強く現れる場合もあります。患者さんに合った適切な投与量を見極め、より高い治療効果が期待できる抗がん剤を選択することが、ますます重要になっています。
今回の患者さんは、抗がん剤の副作用によって手足に水疱ができ、歩くこともままならない状態でした。当院ではがん診療は行わず、皮膚科・形成外科の立場から介入することになりました。


















