一瞬でピンときました…旅行作家の歩りえこさん語る直腸がんとの闘い

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歩りえこさん(旅行作家/44歳)=直腸がん

 去年、友人との会話の中で「大腸がんの内視鏡検査してる?」という話になって、そろそろ行こうかなと思ったのが、がんが見つかったきっかけです。

 じつは2023年に2回、大腸がんの内視鏡検査にトライしました。でも2回とも下剤2リットルを飲むことができなかったのです。「便が出切って水しか出ないくらいの状態にならないと内視鏡検査はできない」と言われたのですが、どうしても気持ちが悪くなってしまって、飲み切れないまま夕方を迎える始末。

 そして去年、意を決して再び内視鏡クリニックに行ったのですが、下剤が飲めない状況は変わらず、「では、胃カメラと同時に胃から下剤を注入しましょう」ということになりました。そのために、いったんCT検査をして合併症などのリスクがないことを確認した後、ようやく大腸内視鏡検査を受けられました。

 麻酔から目覚めると、「結果が出たらお知らせします」と言われました。どうせ何もないだろうとのんびりしていたら、病院から電話があり「早めに来てほしい」とのこと。一瞬でピンときました。以前、子宮頚がんの検査をして、高度異形成(がんの一歩手前)が見つかったときも、まったく同じような経緯だったのです。

「こういう電話が来るということは何かひっかかったに違いない」

 そう思って焦ってクリニックへ行くと、すぐに「がんです」と告げられました。そこまで想像していなかったので頭が真っ白になりました。泣いてしまって、その後の先生の説明は頭に入りません。ただ「若いと進行が速いので、なるべく早く切らなくちゃいけない」とのことで、技術があり症例の多い病院の候補を4つ挙げてくれました。

 それぞれの病院の特徴や家からの距離などを確かめて電話をした結果、予約が一番早く取れた都内のがん専門病院に行くことにしました。

 受診に行くと、その日のうちに「こことここが空いています」と日取りを提案され、3週間後の手術が決定。手術までは検査のために3回ほど通院しました。そして手術の2日前に入院し、腸を空にするための断食がスタート。飲んでいいのはスポーツドリンクのような水だけ。手術前夜からは「アルジネードウォーター」(アルギニンなどが入った滋養飲料)だけになりました。

 手術は最新のダヴィンチという手術支援ロボットによる腹腔鏡手術でした。数カ所お腹に穴を開けるため多少痕が残るけれど、開腹手術より断然回復が早いと聞きました。

 当日の朝、そのダヴィンチを目の当たりにして、あまりの大きさにびっくり。「あとは先生を信じて眠るしかない」という心境になりました。

 目覚めたら5時間後でした。全身に5~6本の管がつながれ、まったく身動きが取れない状態。おまけに水も飲んではいけないと言われて……。一言でいえば地獄。つらいけれど、「これで助かる」と思うことだけが唯一の希望でした。

 そんな中で、さらに負担だったのが友人・知人からのLINEでした。ありがたいけれど、「お見舞いに行こうか?」などの連絡に個別に返せる状況ではありません。だからインスタグラムで発信して、状況をみんなに見てもらうことにしたのです。そうしたら、意外にも「私もです」といった大量のコメントが届いて、それが入院中の励みになりました。

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