著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

天皇に爆裂弾を投げるという直接行動で自由国家をつくるという宮下太吉の政治的信念

公開日：2023/08/03 17:00　更新日：2023/08/10 11:03

日露戦争で、満州軍野戦司令部を訪問する山縣有朋元帥（左の馬上）と、山縣を迎える満州軍司令官の大山巌（敬礼の右）と満州軍参謀長の児玉源太郎（同左）／（Ｃ）共同通信社

　歴史的には大逆事件と言われているが、実際にどういう事件だったのか、その大まかな輪郭を説明しておかねばならない。発端は職工の宮下太吉が自ら製造した爆裂弾を手にして始まったと言っていいであろう。これを天皇に投げつけるという直接行動と、天皇のいない自由国家をつくりたいとの政治的信念が…

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り1,221文字／全文1,362文字)

【連載】保阪正康日本史縦横無尽

前の記事 “無政府主義者”の宮下太吉明治42年11月、爆弾の製造に成功した 2023/08/02 17:00
次の記事もっとも熱心に尋問された幸徳秋水天皇暗殺疑惑で26人が起訴された暗黒裁判 2023/08/04 17:00

この連載の一覧を見る

■関連記事