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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

赤旗事件逮捕者への暴行 南京虫で錯乱状態に追い込まれた房内の拷問

公開日: 更新日:
西園寺公望(左)と原敬(C)国立国会図書館所蔵画像/共同通信イメージズ

 東京二六新聞が報じた「赤旗事件」の逮捕者に加えられた暴行の数々は、想像を絶する内容だったようである。殴る蹴るなどの暴力は当たり前というわけだが、さらにこの新聞はこういう形の拷問もあったといって、その内実を書いている。

 逮捕者の一人が便所に行くにも5、6人で取り囲み、そし… 

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