著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「憲法と日本人」(39)中村哲は、真崎勝次が主張した日本独自の民主主義の欺瞞を突いた

公開日: 更新日:
1889年2月11日、大日本帝国憲法発布の日の市中の様子。当時の新聞によると、京都では「市中の様子、祇園に祭りに似たり」(時事、2月12日)とある。国旗が品切れ、酒が品切れなど、「憲法景気」に日本国中が沸いた。(長崎大学附属図書館所蔵/共同通信イメージズ)

 まず真崎勝次は、次のような自説を披歴する。かなりずさんなのは軍人ゆえであろう。

「民主主義という漠然たる考え方で日本が混乱に陥ったことは、今度が三回目であります。いわゆる鹿鳴館時代の民主主義流行、それから第一次大戦後の思想混乱と今度が三回目であります。民主主義というのは、… 

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