就活生必読 「DMM.com」会社説明会で見えた創業者の頭の中

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 前年からスケジュールが大きく変わり、短期決戦となった今年の就職戦線は、今が会社説明会やセミナーのピーク。そんななか、オンライン通販やコンテンツ配信サービス、証券事業などで急成長を遂げながら、意外にも今年が恵比寿本社の新卒採用2年目という「DMM.com」の会社説明会が4月中旬に行われ、参加した就活生や各社採用担当者の間で「異色だ」「こんなの見たことない」と話題を呼んでいる。

 今年は売り手市場ということもあり、各社とも会社説明会に趣向を凝らし学生の注目を集めようと必死。同グループでは亀山敬司会長(54)が登場し、ジャーナリストのやまもといちろう氏と対談。最新の就職活動のあり方や「DMM.com」の採用ポイント、同社の今期の動きやグローバル戦略などを解説した。

 ここまで読めば、企業トップによるありきたりの会社説明会をイメージするだろうが、さすがは“謎の経営者”“アダルトビデオ界の大物”などの異名をとる亀山会長。言うこと言うこと、就活生に刺さるフレーズのオンパレード。ヘタな就活ガイドや今どきの働き方本を読むより遥かにリアルなのだ。

 対談で飛び出した“亀山語録”をピックアップしてみると……。

<成長率低い所行っても、結局は上がつかえてるから上がれないし任されないと思う>

 対談冒頭から亀山氏は、こう言って会場に詰めかけた就活生たちを刺激した。同氏はグループの魅力を「成長率が高いこと」と説明し、さらに「その点ウチは新しいことをどんどんやりながら成長しているから、そういった面では『楽しみながら出世しやすいよー!』」とアピールする。

DMM.com」は、亀山氏が1980年代後半に開業したレンタルビデオ店が創業の原点。その後アダルトビデオの製作に乗り出し、有力レーベルを育てるのみならずソフトの流通まで手がけたことで大成功を収める。

<DMMはエロという安定したプラットホームを手に入れたから、当面は社員を食わせていける。だから安心して今稼いでいる分を次の事業に投資できる>

 同社がここまで拡大できたのは、アダルトの領域で安定した収入があるから。亀山会長が対談で力説したのがこの発言だ。AVで蓄積した莫大な内部留保を次々と新規事業に投じ、2009年に買収したFX(外国為替証拠金取引)事業が大躍進。有名人をテレビCMに次々起用し、世間の認知度を一気に高めた。現在では通販や動画配信、オンライン英会話や3Dプリンタにまで事業を拡大している。

<上手くいかないときに、事業はとっととやめてもいいんだけど、リストラは気軽にやっちゃいけない>
<姿勢で示すしかない。調子のいいときは搾取してるんだから、少々悪くても保護しとかないと、ロイヤリティーなんて育たないよね>

 あるビジネスサイトでは、部下を信頼し人を憎まない「性善説」の経営者と評された亀山氏。「DMM.com」では終身雇用が基本。そうでなければ、優秀な人材は育たないというのが持論だ。

■欲しい人材は「自分で考えて行動できる人」

 近年の就活生は、安定志向がますます高まっている。それを亀山会長は、刺激的な言葉でこうクギを刺した。

<ウチの安定は「新しいことをやる資金を出せる安定」なんであって、公務員みたいな安定じゃないんだよね>
<結局安定が何かっていうと、昔みたいに就活して線路に乗ったら終わりっていう時代じゃないと思うんです>
<就職したあとも、自分に投資して、自立して、どこでも働けるようにならないと。だから若い人にはウチに来ないとしても「頭を使わせてくれる会社」を勧めるね>

 もろちん、対談では「DMM.com」の採用基準にも言及している。

<まずはエロを拒絶しないってことかな?>
<指示待ちでなく自分で考えて行動できる人>

 やまもと氏が「勝手に動いていいんですか?」と切り込むと、<動きすぎてコッチが止めるくらいのがちょうどいいと思う。思い付いたら空気読めないくらい行動的な感じ>とズバリ。

 就活のコツについても、<「楽しいよ! みんな仲がいいよ!」と良い事しか言わない会社には、意地悪な質問でもしてみたら?>とアドバイスを送るのだ。

 亀山氏は、取材では“顔写真NG”がポリシー。対談が全編収録された【亀山敬司×やまもといちろうが語る“働き方指南”】でも後ろ姿しか拝めないが、謎のベールに包まれているからこそ、その言葉は就活生に重くズンと響くのかも。学生は必読だ。

Sponsored by 株式会社DMM.com

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