日本のゲーム業界の歴史を記す貴重な1冊

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「勇者と戦車とモンスター 1978~2018☆ぼくのゲーム40年史」

 日本は紛れもなく世界一のゲーム大国といってもいい。そして、ゲーム業界の歴史を振り返ってみると、そこには「スーパーマリオブラザーズ」(宮本茂氏)「ドラゴンクエスト」(堀井雄二氏)「桃太郎電鉄」(さくまあきら氏)「ポケットモンスター」(田尻智氏)「MOTHER」(糸井重里氏)など一世を風靡した数々の名作があり、それらを世に送り出した偉大なクリエーターたちがいる。

「勇者と戦車とモンスター 1978~2018☆ぼくのゲーム40年史」(駒草出版/1600円+税)は、そうした数多くの有名クリエーターたちと一緒にゲームライターとして、またある時はゲームの開発者として80年代から90年代にかけてモノ作りに取り組んできた、とみさわ昭仁氏が実際に見てきたゲームの歴史と自らの40年の歩みをまとめた1冊だ。

 本書の中で、とみさわ氏は、「こうした偉大なクリエーターたちの全員と一緒にモノ作りをしたことのある人間なんて、業界には他にいないだろう。ぼく自身は天才でもなんでもない凡人だが、天才と出会ってしまう才能だけはあったのだ」

 といささか謙遜気味に記しているが、決してそんなことはない。インベーダーにハマり、ドラクエに衝撃を受け、初期のゲーム誌で記事を書き、ポケモンの制作に関わってきた、とみさわ氏の自分史だからこそ、その内容は間違いなく面白く、しかも、これまで語られることのなかった日本のゲーム業界の歴史の重要な記録ともいえる。

 また、1941年の「横井軍平(「携帯ゲームの父」と称されるゲームクリエーター)誕生」から始まり2021年まで続く巻末の「ゲーム&とみさわ昭仁 クロニクル」もゲーム業界の歴史が一目で分かる貴重な資料となっている。

 ゲームフリークなら絶対に一読し、そして、手元に置いておくべき1冊だろう。

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