“昭和の怪物”江川卓と練習試合で対戦 「カーブを投げさせた」だけで私が新聞に載った
その後のシート打撃。最初はアンダースローの大橋康延(大洋2位)が投げて、次に江川が出てきた。滝川の1~3番は直球を全て空振りで、かすりもしなかった。が、4番の私は2球ファウル。江川の目の色が変わった。次の3球目は私の頭部付近へ。やばい! と慌ててよけると、目の前で大きく曲がるカーブ。なんとストライクだった。結局、見逃し三振。当時の江川は直球とカーブの2種類だけ。とはいえ、どちらも凄まじい球だった。
翌朝、地元の新聞に「江川にカーブを投げさせた男」と私が紹介された。2本ファウルを打っただけで三振だったのに、うれしいやら恥ずかしいやら……。江川は直後のセンバツで準決勝まで進み、4試合で60奪三振の最多記録を打ち立て、江川フィーバーが始まった。
私の野球人生で江川より速い投手は見たが、うなりながら浮き上がるような球質で、江川以上の投手はいなかった。ベルトの高さかなと思ったボールが、3、4個分は上の胸や首付近の高さだったということもあった。その後、江川とは大学やプロで対戦したが、高校時代が一番すごかったと思う。この時のイメージがあまりにも強く、プロ2年目に対戦した時は、それほど速く感じなかったほどだ。


















