西村カリン ニッポン見聞考
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「強い国」を目指す高市首相は社会の問題を忘れているのではないか
新政権は発足したばかりだが、高市首相は海外において最も関心を集めている日本の首相と言っても過言ではない。それは女性だから。世界中の大手マスコミは高市首相を紹介する記事を掲載したり、ルポルタージュを放…
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フランス元法相の教え…死刑廃止は最も人道的な政治判断だ
2025年10月9日。私の人生において重要な式典に出席することができた。昨年2月に95歳で亡くなったフランスの元法務大臣、ロベール・バダンテール氏が国家的偉人の殿堂パンテオンに祭られたのだ。マクロン…
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自民党総裁選の討論会はただの「発表会」
自民党の総裁選で、5人の候補者の討論会を見て驚いた。なんと「討論のない討論会」だった。 「討論する」とは、異なる意見を戦わせること。相手の話を聞いた上で、異論を述べることだ。ところが、日本での…
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日本の新聞はどれも横並び…1面をもっと魅力的にしてほしい
フランス人から見て、日本の新聞の1面の見出しはすごく特徴があると感じている。とてもシンプルで、コンパクトで、最も重要な事実をまとめる見出しだ。その面では好感が持てるのだが、一方で、重要なニュースがあ…
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移民反対デモへの参加者は「外国人嫌い」より「生活苦」に不満
8月29日に「移民政策反対」デモを取材した。国際協力機構(JICA)の本部前で、「日本第一党」などの急進的な保守派の数百人が「JICA解体」「日本は日本人の国」「外国人はいらない」などと大きな声で訴…
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「年間10万人が蒸発する国」? 海外で発信される、日本についての誤情報
日本人の知らない日本、日本社会、そして日本文化がある。それは一部の海外記者や小説家が想像した日本だ。日本という国は非常に独特で、知っている欧米人は増えているとはいえ、割合はまだ低い。ただ、行ったこと…
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核兵器廃絶のために、アーティストへ呼びかけ
80年前に、アメリカが広島と長崎に原爆を落とした。世界中のマスコミには似たような慣習がある。何か重要な歴史上の出来事があると、10年後、20年後、30年後と、10年ごとに大きく報道するが、その間の年…
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参政党は欧州基準では、極右ではなく「超極右」
普段は日本の政治についてフランスではそれほど報道されず、関心があまりない。「日本の首相は誰?」と一般のフランス人に聞いたら、ほとんどの人は答えられないだろう。政治家ですら、日本の首相を知らない人も結…
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「インセル」は先進国の社会問題…政府は無視できない
パリに滞在中の先週、気になるニュースがあった。女性を殺害する計画を立てた疑いで、18歳のフランス人の男が逮捕された事件だ。大手マスコミが「インセル」のメンバーだと報道したことで驚いた。なぜなら、今ま…
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日本の学校では、AI授業より哲学の授業を
新聞を広げると必ずどこかの見出しに出てくる2つのアルファベット文字がある。それはAI(Artificial Intelligence=人工知能)だ。何でもかんでもAIで処理できる世界になりつつあり、…
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日本政府は少子化問題の現状分析と理解が不十分だ
日本の少子化問題に歯止めがかからない。昨年1年間に生まれた子どもは初めて70万人を下回った。さまざまな対策が実施されても、出生数は減少する一方だ。一体、なぜ日本人は子どもを産まなくなったのか。政府は…
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日本のコメ危機は海外でも関心が高い
「一体、日本で何が起きているのか」──。異常な事態なので、日本でのコメの危機については海外でも関心が非常に高い。日本で「お米がない」というニュースは「フランスで小麦のパンがない」と同じような、あり得な…
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フランス人アーティストは昔も今も日本に憧れている
パリに滞在中、イブ・シモンという歌手兼小説家に会った。一部の読者は覚えているかもしれないが、1970年代から95年ごろまで日本でも人気のあったフランス人アーティストだ。現在81歳のイブ・シモンは、な…
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新幹線が大好き。日本の電車は完璧で世界一
今月中に2週間半ほど、母国であるフランスに行く予定だが、準備段階からイライラした。理由は電車の予約をめぐる悪夢だ。 まず、パリから実家までの本数が少なすぎる。予約はできたが、ストライキで運休…
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大阪・関西万博の多言語公式HPは間違いだらけの機械翻訳だ
大阪・関西万博が今月13日に開幕した。私は9日のメディアデーに万博に行き、晴天の下で数カ所のパビリオンを見た。展示は映像やプロジェクションマッピングがあまりにも多すぎて、うんざりしたが、パビリオンの…
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日本は米国の「幸せな家臣」になるのか
日本政府の本音を知りたい。先月末のへグセス米国防長官の来日後、石破政権は「トランプ政権下でも米国が引き続き日本を守ってくれる」と確信し、安心しているのか。それとも「困ったな」と思っているのか。 …
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日本が「歴史の間違った側」に墜ちないように
先週、数日間フランスで過ごした。トランプ政権の様子を報道するテレビを視聴したり、ラジオを聞いたり、新聞を読んだりしたら、日本の報道とは大きく異なると強く感じた。 トランプ政権の発足によって世…
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日本で上映されていない映画「Black Box Diaries」の残念なミス
アカデミー賞にノミネートされ話題になった伊藤詩織監督のドキュメンタリー映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」(Black Box Diaries)を見た。おもに、日々、録画・録音された彼女の行動の…
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米国にノーと言えるフランスの記者から見た日米首脳会談
どの国の首脳にとっても、米国のトランプ大統領との会談は容易な経験ではない。トランプ氏の姿勢、発言などを予想できないからだ。 先週行ったトランプ氏と石破首相の会談は「うまくいった」と日本の外務…
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フジテレビだけではない。大手マスコミが無責任だ
いかに日本のテレビ局幹部の考え方が時代錯誤かつ無責任であるかは、最近の中居正広・フジテレビのスキャンダルで改めて分かった。 「記者クラブの加盟社限定および動画撮影禁止」の1月17日のフジテレビ…
