トランプと宗教勢力(1)「キリスト教シオニズムとは何か」大宮有博著|キリスト教シオニストがネタニヤフを支持
支持率急落が伝えられる米トランプ大統領だが、変わらぬ岩盤支持層が宗教保守の福音派だ。
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「キリスト教シオニズムとは何か」大宮有博著
トランプが絶対的な支持を与えるのがイスラエルのネタニヤフ首相。聖書に書かれたことを絶対視する福音派はシオニズムを信じるがためにネタニヤフも支持するという構図だ。
シオニズムとはユダヤ人の祖先の地とされたパレスチナへの帰還をめざすユダヤ人の政治・思想運動のこと。しかし本書が注目する「キリスト教シオニスト」は「イスラエル国を無条件に支持するキリスト者」。つまり現在パレスチナで暴虐を尽くすネタニヤフを支持するキリスト教徒だ。トランプ支持者の中核にいる福音派もここに含まれる。
トランプはどう見ても宗教的に敬虔とは思えないが、1期目の政権では副大統領に福音派を選ぶなどあからさまな人気取りに徹した。
著者はキリスト教徒の神学博士だが、厳しくキリスト教シオニズムを論じる。現在のイスラエルはイギリスと密約を結んだユダヤ人がアラブ人を押しのけて無理やり建国した「入植者植民地主義」の産物だからだ。
キリスト教シオニズムでは天地創造以来の歴史を7つの「段階」に分け、いまはキリスト再臨前の第6の段階にあると見る。ユダヤ人は地を受け継ぐ民、キリスト者は天を受け継ぐ民。ユダヤ人の帰還が実現すると世界最終戦争が起こり、イエスが再臨し、ユダヤ人もイエスをメシア(救世主)として認める(認めない者は滅びる)。これがキリスト教シオニズムの世界観をなす思想となり、穏健なキリスト教とは似ても似つかない福音派の過激な行動につながるのだ。 (日本キリスト教団出版局 1320円)



















