反動の宗教右派(2)カトリックが長年こだわってきた人工妊娠中絶
「アメリカのリベラリズムとカトリックの中絶問題」池端祐一朗著
米議会の中間選挙を前に、トランプ政権の岩盤支持層といわれる宗教右派の動向にまた注目が集まっている。
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「アメリカのリベラリズムとカトリックの中絶問題」池端祐一朗著
トランプの支持層では福音派が知られるが、これはプロテスタント。キリスト教には道徳的に厳しい宗派としてカトリックが有名で、これもトランプ支持層には欠かせない。本書は福音派以上にカトリックが長年こだわってきた人工妊娠中絶問題と政治・社会の関わりを深く掘り下げた。
1期で大統領を終えたバイデンは実はケネディに続く2人目のカトリックの大統領。これなどは日本ではほとんど認識されてないだろう。また民主党がレーガン政権に挑んだ1984年の大統領選では、初めてジェラルディン・フェラーロが女性副大統領候補になったが、彼女もカトリック。しかも中絶問題については個人の選択を重んじるとする許容派(プロチョイス派)だったことで、カトリック有権者の中では激論になったという。またカトリックの大学では同じく許容派で大統領になったバイデンを卒業式に招待しないよう学内で動議が出されている。これが21世紀になっての話なのだ。
本書はこうした宗教保守の姿勢の根幹を、逆にリベラルなカトリックに光を当てて逆照射する試み。神戸の公益財団法人で研究職にある著者は陸上自衛隊に勤務経験があり、そこで知り合った米軍の従軍司祭などからも教えを受けたという。
(ナカニシヤ出版 4400円)


















