トランプと宗教勢力(3)「リベラルなアメリカの『失われた魂』たち」山本貴裕著|過激保守化の深層に迫るアメリカ社会論
支持率急落が伝えられる米トランプ大統領だが、変わらぬ岩盤支持層が宗教保守の福音派だ。
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「リベラルなアメリカの『失われた魂』たち」山本貴裕著
いまのアメリカの過激保守化の中心は福音派というのがもっぱら世間の解説。しかし本書はもう一つの可能性を指摘する。それが「スコッツ・アイリッシュ」。アイルランドに移住したスコットランド人のことで、アメリカへの移民も多い。
アメリカでは彼らの多くはアパラチア山脈の奥深くに定住した。ここはトランプ政権の副大統領バンスの故郷。格差社会の底辺に追いやられた貧乏白人と蔑視されたのがスコッツ・アイリッシュだという。本書はこの集団と福音派の交差するところをたどるアメリカ社会論。第2部「スコッツ・アイリッシュ──よそ者の支配に対する反抗の文化」が特にユニーク。
「よそ者の支配に対する反抗」は彼らの政治的な動きの根底にあるという。差別された彼らが、それでも南北戦争では差別した側の奴隷主が率いる南軍で戦ったのも「よそ者の支配」への嫌悪感から。権力に抵抗する庶民といえば聞こえはいいが、「権力」を勘違いした結果、トランプ支持に走るという構図が見て取れる。 (彩流社 3080円)


















