衰退日本の地方(1)西武線の東伏見、柳沢、久米川が遠隔対応駅に…「地方が溶ける」神山典士著
少子化の勢いはまったく止まらず、みるみるうちに地方が先枯れしている。
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「地方が溶ける」神山典士著
2008年には1億2800万人を記録した日本の人口。しかし今年は1億2285万人で600万人弱が減っている。それどころか今年の6月1日現在で昨年同期と比較してなんと53万人の減少なのだ(総務省調べ)。
この影響をもろに受けるのが地方。ド田舎の話ではない。たとえば西東京市。かつての田無市と保谷市が合併した21世紀最初の新設合併市だが、ここを通る西武鉄道が昨年末、東伏見、柳沢、久米川の3駅を「遠隔対応駅」とすると突如発表。「遠隔対応」とは駅員なしで必要ならインターホンで連絡対応するという意味。利用者にとっては事実上の無人駅化だ。地元住民は驚き、特に障害のある人たちを中心に説明会を求めたが、会社は拒否したという。
本書はこのエピソードから始まり、「ふるさと創生」のかけ声の実態を全国に探る。地方再生と並んで異文化やアウトローをテーマに取材を続ける著者はノンフィクション作家。石丸伸二が1期だけ市長を務めて注目された広島の安芸高田市を取材。石丸が去った後の同市の「レガシー」をたどるという問題提起がユニーク。マクロな議論の多い地方再生論に、人に寄り添うミクロな視点で迫るノンフィクションだ。 (光文社 1012円)


















