Jポップ以前(1)大瀧詠一は日本のシティーポップのなかでも伝説的な存在
「幸せな結末」萩原健太著
世界中でJポップが大流行。特に人気なのがJポップの前、まだ「ニューミュージック」だった時代の音楽だ。
◇ ◇ ◇
「幸せな結末」萩原健太著
いまや海外にまで大人気となった日本のシティーポップ。なかでも伝説的な存在とされる「はっぴいえんど」のメンバーが大滝詠一。アルバム「ア・ロング・バケイション」でミリオンセラーを飛ばし、CMソングで一世を風靡し、クレージーキャッツなどコミックソングに日本型ポップの源流を聴く「ナイアガラ」レーベルのプロデューサーとしても大活躍しながら13年前に惜しくも亡くなった。
本書は無類の大滝ファンからプロの音楽評論家になった著者が1991年の夏、福生のスタジオに三日三晩泊まり込みで行ったロングインタビューをもとにした聞き書き回顧録。岩手の母子家庭に育った大滝少年がどんな子ども時代を送り、どんな環境で音楽に目覚め、上京してから細野晴臣との出会い、「はっぴいえんど」時代、ソロ活動から「ロンバケ」、「ナイアガラ」レーベルの立ち上げその他までをつぶさに語る。自慢話になっても不思議でないところでも行間とコトバ尻に照れ隠しのユーモアがにじみ、おしゃれイメージばかりが強い日本のシティーポップの源流が自然と伝わってくる妙味にあふれる。
(文藝春秋 1925円)



















