著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

米国での「感染性心内膜炎」の増加は現代社会への警鐘

公開日: 更新日:

 米国で薬物乱用に関連した「感染性心内膜炎」の発症が急増しているという報告がありました。

 米クリーブランドクリニック循環器内科の研究によると、米国における感染性心内膜炎の発症は、2002年が1万人当たり18人だったのが、16年には同29人に増加。感染性心内膜炎の患者100万人を対象にした分析では、薬物乱用に関連した感染性心内膜炎の割合は、02年の8%に対し、16年には16%と倍増していることがわかったといいます。

 感染性心内膜炎は心臓の内部の構造物に細菌が取りついて起こる感染症で、とりわけ弁膜に巣くって弁を破壊し、心臓弁膜症や心不全を引き起こします。

 また、取りついてできた細菌の塊が体のあちこちに飛んで“悪さ”をします。脳に移動すれば脳梗塞の原因になりますし、移動先の血管で動脈瘤をつくり、破裂すれば突然死を招くケースもあります。

 薬物乱用が大きなリスク因子であることがわかっていて、不衛生な注射器で静脈注射を繰り返すことによって細菌が侵入しやすくなったり、鼻粘膜が弱くなることでも感染リスクを上昇させるのです。

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