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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

性交渉で感染するタイプの中咽頭がんは放射線がよく効く…ワッキーはリスクないのに発症

公開日: 更新日:

「信じられなかった。受け入れられなかったというか」

 テレビ番組で中咽頭がんと診断された5年前の心境を振り返ったのは、お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーさん(53)です。「たばこ吸わないし、酒もほとんど飲まないし、適度に運動してるし、(当時も)元気だし」と思い当たるふしがなかったといいます。

 たばこも酒もがんのリスクで、運動はがんの予防因子ですから、ワッキーさんのようにがんの診断に動揺される方は少なくありません。喫煙は発がん要因の15%、飲酒は同6%を占めていて、それぞれのがんの原因の2位、3位です。咽頭がんの最大のリスク因子は喫煙ですが、ワッキーさんにはそれがありませんでした。

 実は、がんの原因として最も大きいのが感染で17%。最近はヒトパピローマウイルス(HPV)感染で発症する咽頭がんも注目されていて、特に米国では中咽頭がんのうちHPV由来が6~7割に上り、日本でも発症原因の半数程度とみられています。

 HPVは性交渉によって感染するウイルスで、女性の子宮頚がんはほぼ100%がこのウイルスが原因。HPV由来の中咽頭がんはオーラルセックスが感染ルートです。そのほか肛門がんや、男性に感染すると陰茎がんや尖圭コンジローマを発症しやすくなります。ワッキーさんもそれかもしれません。

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