(51)江戸期創業の旅籠にて
- 印刷
- >> バックナンバー
- 今だけ無料
ようやく見つけた中華屋さんで丸テーブルにつき、餃子とビールを頼んでからスマホで歩行距離を見てみると、20キロだ。宿を出てから6時間経っていたから1時間4キロに満たないヨロヨロ歩きだが、疲れはハンパではなかった。
それゆえだろう。ビールと餃子がやけにうまい。追加で頼んだのはレモンサワーと、あんかけのかた焼きそばだ。盛りのいい焼きそばをひと皿、ゆっくりゆっくり食べる間に、サワーのお代わりを1回、2回。渇き、飢えているときの食事と酒は、なんとうまいことか。
江戸の昔、1日に10里(40キロ)くらいは平気で歩いたと聞いたことがある。昔の日本人たちは旅の宿で、何を喰い、飲んでいたのか。中華屋さんで癒やされながら、電気もガスもない時代の旅に、しばし思いを馳せた。
縁側に座って酒を飲み、月を見あげる。眠くなるまで月を見る。たった200年前。人間はそんな暮らしをしていたのだ。

















