千葉と静岡で豪雨が相次ぐのはなぜ? 気象予報士に聞いた「雨が多い地域」と「災害が多い地域」の違い
どんな条件が重なると浸水や土砂災害につながりやすい?
一方、千葉県の降水量はそれほど多いわけではなく、「近年の豪雨災害の印象が強い」という。
「ただ、千葉県も関東のなかでは局地的な前線が発生しやすい場所です。関東で雨が降ると、地表付近に冷たい空気の層が発生します。この冷たい空気と海から入ってくる暖かく湿った空気の間で、局地的な前線が発生することがあります。前線は相模湾から房総半島付近の関東沿岸部に形成されやすいです。今年の千葉豪雨も、同様のメカニズムで局地的な前線が生まれ、線状降水帯の発生につながりました」(津田紗矢佳氏)
もっとも、「雨が多い地域」と「豪雨災害が起きやすい地域」は必ずしも同じではない。では、どんな条件が重なると浸水や土砂災害につながりやすいのか。住民が特に警戒すべきポイントは何か。
「雨の多い地域と災害が起こりやすい地域は必ずしも一致しません。地域によって、危険な雨の量は違ってくるためです。四国や九州などにとってはよくある量の雨でも、ところ変わって東北や北海道では滅多に降らない量の危険な雨になることがあります。一つだけでなく、複数の現象が重なると、より災害が発生しやすくなると言えます。大雨をもたらす現象のひとつに台風が挙げられます。台風単体でも大雨となりますが、接近前に前線によって雨が降っていると、前線の雨と台風本体の雨が重なり、極端な大雨につながることがあります。2019年の東日本台風のときも、台風接近前から秋雨前線による雨が続いており、そこに台風本体の雨雲がかかったことで記録的な大雨となりました」(津田紗矢佳氏)
津田氏は、これからの季節は木々が落葉し、街中に落ち葉があふれるため、注意が必要だと指摘する。落ち葉が側溝などにたまると水はけが悪くなり、そこに大雨が降ると、大規模な道路冠水につながることがあるという。
「大切なのは、自分の住む地域にとって、どれくらい雨が降ると危険なのかをあらかじめ知っておくことです。気象庁のウェブサイトでは、過去の顕著な災害が発生したときに、どれくらいの量の雨が降ったかを見ることができます。また、ハザードマップを使い、自分の身の回りではどのような災害が発生する可能性があるのか、確認しておくことも重要です」(津田紗矢佳氏)
雨が降りだしてからは、気象庁ウェブサイトの「雨雲の動き」と「キキクル」の利用がおすすめだ。「雨雲の動き」では、レーダー観測に基づく現在の雨雲の位置や雨の強さ、雨雲の予想を、「キキクル」では、自分の住む地域にどんな災害が迫っているのかを、地図上で危険度ごとに色分けして確認できるという。
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