(2)「丸子「野毛」「等々力」など東京と神奈川で同じ地名 多摩川の氾濫で分断された水害の痕跡
都道府県や市区町村が異なるのに、同じ地名が河川を挟んで並んでいるケースがよくあります。これらはほぼ例外なく過去の水害の痕跡と考えていいでしょう。あちこちにある川の中でも、こういう地名が見られるエリアは要注意です。
例えば東京都と神奈川県の境を流れる多摩川には、両岸で同じ地名がいくつもあります。まずは大田区の「下丸子」と川崎市中原区の「中丸子」「上丸子」。行政区画としては「上・中・下」がついていますが、ベースは「丸子」です。世田谷区と川崎市高津区に見られる「野毛」「上野毛」「下野毛」も、同じパターン。
さらに、世田谷区と川崎市中原区の「等々力」、世田谷区と川崎市高津区の「宇奈根」など、大田区、世田谷区、川崎市の周辺には同じ地名がズラリ。「瀬田」(世田谷区と川崎市高津区)、「布田」(調布市と川崎市多摩区)、「押立」(府中市と稲城市)、「石田」(国立市と日野市)などもあります。
かつて暴れ川として知られた多摩川は、古くから氾濫が絶えませんでした。洪水のたびに流路が変わり、岸辺にあった村が川の流れにより隔てられてしまうこともしばしば。丸子や等々力、野毛などの地名が川の両側にあるのは、氾濫によって地域が分断されたことを示しているのです。


















