著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(67)満州事変後に「皇国」はなぜ流布されていったのか

公開日: 更新日:
沿道の歓呼に迎えられる凱旋将軍幕僚一行(1932=昭和7=年6月27日、日本電報通信社撮影)

 しかし実際には、日露戦争時の「皇国の興廃」という表現はそれほど使われることはなかった。明治30年代の戦争では、そこまで神がかりの戦争ではなかったのである。「皇国」という語よりも、むしろ「帝国」という語の方が一般では用いられた。皇帝が元首の国だと意味する語の方が馴染みやすかったの… 

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