もっと知ろうよ船橋ケイバ「ノブワイルドが後世につなげたいエルコンドルパサ ーの血脈」

公開日: 更新日:

19年、20年の習志野きらっとスプリントを制覇

 今開催の船橋ケイバは変則日程。いつもの月曜から金曜のパターンではなく、17日(土)にスタートし、21日(水)までの日程。開催のメインは最終日に行われるSⅠ習志野きらっとスプリントで、ここで今年のスーパースプリントシリーズのチャンピオンが決まる。

 この習志野きらっとスプリントは2011年に創設された新しい重賞。当時はSⅢだった。

 18年にはSⅡとなり、昨年からはSⅠに。斤量も定量戦となり、まさに頂点を決めるにふさわしいレースとなっている。

 創設から3連覇したのが笠松の快速牝馬ラブミーチャン。それ以来となる連覇を達成したのが19、20年の勝ち馬ノブワイルドだ。

 ロックバンド「TUBE」のボーカル、前田亘輝氏がオーナーであったことでも知られるが、2歳時にはJRAに在籍。故障による休養もあって3歳時には浦和へ。しかし、花が開くには時間がかかった。

 初の重賞制覇は18年。6歳9月のテレ玉杯オーバルスプリントで、2勝目が19年の習志野きらっとスプリント。そして同年のテレ玉杯オーバルスプリント、20年の習志野きらっとスプリントをともに連覇していることから、この2競走は舞台適性が高かったのだろう。

 そのノブワイルドにとって、ラストランとなったのもこの船橋千メートル。今年1月の船橋記念だ。

 ところが、直線で故障して競走中止。左前球節完全脱臼と診断されたものの、一命は取り留めた。その後、種牡馬入りが発表されている。

 ノブワイルドの父はヴァーミリアン、その父はエルコンドルパサー。

 エルコンドルパサーは2000年に種牡馬となったが、02年に7歳の若さで死亡。わずか3世代しか残すことができず、GⅠウイナーはヴァーミリアンの他にソングオブウインド、アロンダイトのみである。

 このうち、アロンダイトは引退後は乗馬に。ソングオブウインドは種牡馬となったが、大物は輩出していない。

 ヴァーミリアンはこのノブワイルドの他に、今年になってからオープン特別を連勝し、大井の東京スプリントを制したリュウノユキナが。どちらも6歳で重賞タイトルに手が届いた遅咲きだ。

 すでにヴァーミリアンは17年に種牡馬を引退しており、エルコンドルパサーの血を引く種牡馬は貴重となってきた。

 ちなみに、エルコンドルパサーを母の父に持つ馬にはクリソライトがいるが、こちらは韓国に輸出されている。

 貴重な血を受け継ぎ、習志野きらっとスプリント連覇で名を残したノブワイルドには、ぜひとも種牡馬としても成功してほしいものだ。

■外部リンク 船橋ケイバ 公式サイト

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

もっと見る

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋