大谷翔平の“献身投手復帰”で佐々木朗希は立場なし…常勝ドジャースの「不純物認定」は時間の問題か
「マウンドから降り、すぐに準備をし、汗を拭って打席に立つ姿は非常に興味深かった。ファンのように興奮したよ」
日本時間17日、「1番・投手」として投げて打ってのリアル二刀流が復活した大谷翔平(30=ドジャース)について、ロバーツ監督はこう言った。
三塁手のマンシー(34)も「1回に25~30球も投げた直後、水も飲まずにすぐ打席に立ったなんて、本当に信じられないよ」と舌を巻いた。
大谷はそもそも二刀流選手。投打の同時出場は初めてではない。にもかかわらず、ドジャースの監督や選手がここまで興奮したのは、大谷の勝利に固執する姿勢があればこそだろう。
2023年9月に受けた2度目の右肘靱帯修復手術明け。打者として欠かせない戦力であるがゆえに、マイナーでの調整登板もできない。本来ならば、投手としてはまだ調整途上。本人の二刀流選手としての自負、打つだけじゃなく投げたいという個人的な欲もあるのだが、それだけじゃない。大谷は登板後にこう言っている。
「1週間に1回投げつつ、またイニングを少しずつ伸ばしていけたら、ブルペンの負担が少しは減るのかなと思う」
本人は今度、右肘靱帯を損傷したら投手を断念すると示唆している。投手への復帰は石橋を叩いて渡るべきなのに、メジャー最多の投手14人が負傷者リスト(IL)入りしているチーム事情も背中を押したのだ。
いきなり161キロを投げた反動があっても不思議ではないし、二刀流が奏功するかは今後次第とはいえ、大谷は今世紀初のワールドシリーズ連覇を本気で狙っている。その姿勢が首脳陣や選手の琴線に触れたのだ。
大谷が投打にフル回転し始めたことで、改めて苦しい立場に追い込まれたのが佐々木朗希(23)だ。
開幕8試合目の登板だった5月10日のダイヤモンドバックス戦後に右肩の痛みを訴えた。診察の結果、肩の骨や筋肉などがこすれることで痛みや炎症を引き起こす「インピンジメント症候群」で、同14日に15日間の負障者リスト入り。「もらった時間でしっかり完治させて、パフォーマンスも上げて戻れるように頑張りたい」と話し、5月下旬にはキャッチボールを始めたものの、6月10日前後に痛み止めの注射を打ち再びノースローに。現在もキャッチボールは行っていない。
ロバーツ監督は「今季は彼抜きで考えるのが妥当だろう」とも話している。特派員のひとりがこう言った。