韓国リメーク作品はヒットしにくい？「かのきれ」「ボイス2」苦戦から見えるもの

懸命さは画面から伝わってくる小芝風花（左）と真木よう子（Ｃ）日刊ゲンダイ

■「共感できるリアルさ」求める日本人

　ただ、どちらかというと日本人は「共感できるリアルさ」を好む傾向がある。たとえ設定に「ドラマらしい架空感」があったとしても、そこに登場する人間たちの気持ちに共感さえすれば、その「架空感」はプラスに作用する。現在放送中の「TOKYO MER～走る緊急救命室～」（TBS系）がまさにそれで、ドラマで登場する「ERカー」と救命救急チーム「MER」は架空にもかかわらず、実際に人の命と向き合う人のリアルな姿を描くために必要な演出として欠かせない要素となり、共感を呼んでいる。

　もうひとつ、韓国ドラマのオリジナルは「長尺」で作られている点も日本のドラマと大きく異なる。１話当たり１～２時間の長尺で、しかも週２回放送されるため話数も16～20話が基本となる。時には50話近く制作されるドラマもある。それを日本でリメークする場合は、話数と時間が限られているため大量にシーンを削らなくてはならず、「過程」の描写が物足りなくなり、どうしても登場人物たちの気持ちが視聴者に伝わりにくくなる。