「くしろ湿原ノロッコ号」のラストラン撮影で線路脇の樹木伐採…“撮り鉄”の非常識行動はなぜ続く? 背景に特殊な“界隈ルール”
ネット環境が不十分な高齢者もいてネットの議論が広まらない
撮り鉄の問題行為はたびたびネットニュースで議論になるし、マナーを順守していると語る撮り鉄はそのたびに「一緒にしないでほしい」「ちゃんとルールに則って撮影している人もいる」と嘆く。だが、撮り鉄が起こすトラブルは一向になくならない。なぜだろうか。
今回の「くしろ湿原ノロッコ号」の件でトラブルを起こしたのは23歳の若者だったが、撮り鉄には高齢者も多く、自宅にネット環境がないこともある。そのため、議論が起こっていることをそもそも知らない人も少なくない。
また、既に述べたように、過去には鉄道写真を撮影する際に線路沿いの樹木や草を刈ることは、界隈内では問題ないとされていた。名前を載せることは控えるが、著名な鉄道写真家も推奨していたのである。そんな流れの中、社会はネット中心になり、撮り鉄の中では当たり前とされていたルールを一般人が疑問視するようになった、というわけだ。
かつてのルールでいまだに撮影している人は多いようである。撮り鉄が草を刈っているところを見つけて注意したら、「エッ、何が問題なの? みんなやっているよ」と返され、唖然とした鉄道会社の社員もいるというから、ルールを普及させるためには時間がかかりそうである。
■1人1人の意識を高めて、イメージを変えていくしかない
筆者は撮り鉄にもプロの鉄道写真家にも知り合いがいるが、常識を守って撮影している人が大半である。また、過去に問題行動を起こしたことがあっても、その後に改めた人もいる。その一方、世間の撮り鉄に対する風当たりは依然として冷たい状況が続いている。
無断で敷地内の樹木を切り倒したり、駅で列車を撮影するために一般人に対して「どけ!」などと罵声を浴びせたりする行為が、明らかに趣味人としては異常な振る舞いであり、他では滅多に目にすることがないものだからであろう。
鉄道写真は素晴らしい趣味であり、雄大な自然と広大な鉄道網がある日本だからこそ楽しめるものだと思う。しかし、このままトラブルが連続すると、鉄道の撮影そのものが禁止されかねない。そうした事態を避けるためにも、撮り鉄の1人1人が自らの意識を高め、イメージ向上を図っていくしかないだろう。
(文=山内貴範)
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