保阪正康 — 著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

北一輝系に不信感井上日召のグループには西田税暗殺案も

公開日：2020/10/29 17:00　更新日：2020/10/29 17:00

5.15事件で三上卓海海軍中尉が使用したといわれるピストル。犬養首相狙撃のピストルとして文京区内の飲食店で本富士署が押収した（Ｃ）共同通信社

　５・１５事件と称される犬養首相暗殺事件は総勢２０人余が参加しているが、その行動記録を見るとそれほど行動の範囲が広がっていたわけではなかった。殺害されたのは犬養首相と官邸の警護に当たっていた警察官一人である。

　首相官邸を襲ったグループとは別に他の２組の決行者たちは、牧野伸…

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