著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

東京を騒乱状態にして軍事が介入する無血のクーデター計画

公開日: 更新日:
「3月事件」は東京裁判で初めて明らかになった(C)共同通信社

 橋本のこうした案は、実は世界史にも前例があった。ポーランドの軍人、ピルドスキーは第1次世界大戦のあと、独立を回復したポーランドで陸相になった。しかし政党政治が腐敗、混乱したので、「軍人として政党と席を共にしない」と言って、辞めて政府を総辞職に追い込んだ。そしてピルドスキーらの軍… 

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