酒を飲めない剛志から初めて飲みに誘われた夜の思い出

吉田浩（元阪神）#2

藤田平監督とはソリが合わず…（Ｃ）共同通信社

　1996年ごろ、それまでずっと「4番・センター」で出ていた剛志が、「8番・センター」に落とされた。当時の藤田平監督にあんまり好かれていなかったこともあり、しまいにはスタメンから外されて僕が「2番・センター」で出ていた時期もありました。そんなとき、アイツから「飲みに行こう」と言われた。剛志は酒が飲めないのに。

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　飲みに誘われたのは初めて。もともと人に相談せずに自分で決断するタイプだったから、すぐに「だいぶ病んでいるな……」と察しました。

　居酒屋に行くと、剛志はこう切り出した。

「浩さあ、なんでそんな楽しそうなの？」

「もしかしておまえ、8番・センターで出ているのが楽しくないってこと？」と聞くと、「うん。何かもうやる気なくなってきた」と言う。当時、僕は一軍と二軍を行ったり来たりの選手。剛志にこう言った。