GRAPHIC
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「骨の髄」甲斐啓二郎著
何の前知識もなくページを開くと、小雪の舞う寒そうな町はずれの広場を男たちが走っている。男たちの向かう先には、群衆がいるようだ。彼らの容姿からどこかの異国だと分かるが、どこの国かは分からない。 …
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「火山と生きる海鳥」寺沢孝毅著
自然写真家の著者は、ある日、火山活動でできた島の外輪山に囲まれたクレーター湾を飛び交うエトロフウミスズメの大群の動画に目がクギ付けになる。海上に舞い降りて浮かぶエトロフウミスズメの群れの中に、シラヒ…
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「東京旧庭」櫛引典久著
東京都が管理する都立庭園の公式フォトグラファーとして多くのプロモーション写真の撮影を担当してきた著者による写真集だ。都会のオアシスとして都民をはじめ、多くの来訪者に親しまれている都立庭園の魅力を伝え…
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「女、美しく… わが旅の途上で」長倉洋海著
世界の紛争地を取材してきた写真家が、取材の合間に出会いカメラに収めた女性たちの写真集。 トルコの東端アルメニア高原のアラトト山の麓の村で、いつか出会う新たな世界を夢見ながら絨毯を織る女性や、…
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「オーデュボンの鳥」ジョン・ジェームズ・オーデュボン著 武市一幸訳
19世紀の鳥類研究家・画家が残した有名な野鳥画集「アメリカの鳥類」の日本初の普及版。ハイチでフランス人の両親の間に生まれた著者は、フランスで過ごした少年時代から観察眼に優れ、野山を歩き鳥を観察して絵…
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「タマ、帰っておいで」 横尾忠則著
2014年の5月31日の深夜0時20分ごろ、横尾家の愛猫タマ(正式名はタマゴ)が息を引き取った。タマは15年前、横尾家の庭に現れた何匹かの捨て猫の一匹で、彼女だけが自ら人間に飼われることを選び、家の…
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「テツヤ85歳、孫の服を着てみたら思ったよりイケてた。」シルバーテツヤ、クドウナオヤ著
昨年、秋田の田舎町で余生を楽しんでいた85歳のおじいちゃんが、ツイッターにあげられた4枚の写真をきっかけに一夜にして世界中が注目するファッションアイコン「シルバーテツヤ」へと生まれ変わった。その写真…
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「ノースウッズ―生命を与える大地」大竹英洋著
ノースウッズとは、北米大陸の北緯45度から60度にかけて広がる世界最大級の原生林の呼称。20億年以上前に形成されたカナダ盾状地と呼ばれる岩盤を北方林が覆い、約1万年前の最後の氷河期によってできた無数…
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「ポスター芸術の歴史」 デイヴィッド・ライマー著 海野弘解説 井上廣美訳
時代とともに新たなメディアが次々と登場するが、アナログとも思えるポスターは相変わらず街の一風景として健在だ。商品や催し物を紹介するという本来の目的を果たしながらも、芸術としての価値を万人が認めている…
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「羽音に聴く 蜜蜂と人間の物語」芥川仁著
北海道から沖縄まで全国39人の養蜂家を訪ね歩き、その仕事の現場に密着したフォトエッセー集。 養蜂家の朝は早い。北海道の今城さん夫妻は朝4時、トラックで森の養蜂場に向かう。蜜蜂が活動を始める前…
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「世界物語大事典」ローラ・ミーラ総合編集 巽孝之日本語版監修/越前敏弥訳
物語は、私たちを存在しない世界への旅に連れ出し、そこでの思考体験は常に新しい何かをもたらしてくれる。そしてまた物語は、次の新たな物語を生み出す創造の源となってきた。本書は、紀元前から現代まで、人類に…
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「死を招くファッション」アリソン・マシューズ・デーヴィッド著/安部恵子訳
産着から死に装束まで、多くの人はその生涯を衣服に守られて過ごす。ゆえに人は、その着心地からデザイン、そして流行に敏感となり、常に革新を求めてきた。 華やかに見えるそうしたファッションの歴史の…
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「日本の山ができるまで」小泉武栄著
登山愛好家の数は1000万人を超えるともいわれるほど山が大好きな日本人。それは今に始まったことではなく、江戸時代には登山を趣味とする大名がいたほどで、明治時代には学校などによる集団登山も始まり、乳飲…
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「ビジュアル パンデミック・マップ」サンドラ・ヘンペル著/竹田誠、竹田美文 日本語版監修/関谷冬華 訳
中国に端を発した「新型コロナウイルス」は日を追うごとに世界に拡散。WHOがパンデミック(世界的な流行)を宣告するのも、もはや時間の問題と思われる。 思い返せば、人類の歴史とは、ペストや結核、…
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「素顔の文士たち」田村茂著
著者の田村茂氏(1906~1987年)の名に覚えはなくとも、ほとんどの日本人は彼の作品を一度は目にしたことがあるはずだ。たばこを手に跨線橋にたたずんでいたり(表紙)、書斎で憂いを帯びたまなざしでほお…
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「百年の色街飛田新地遊郭の面影をたどる」土井繁孝撮影/飛田新地料理組合協力
江戸時代の遊郭のたたずまいが今も残る大阪市西成区の「飛田新地」。大正7年に開業し、100年の歴史を刻む色街だが、場所柄か、今も街並みの撮影さえ禁止されており、文献や映像などその歩みを伝えるものはこれ…
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「続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本」J・ウォーリー・ヒギンズ著
1956(昭和31)年に初来日、その2年後から日本に住む根っからの「撮り鉄」アメリカ人が撮影した昭和30年代の東京と日本各地の鉄道、そして当時の日本の風景写真を編んだビジュアル新書。当時は超ぜいたく…
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「TRANSIT THE PORTRAITS」euphoriafactory著
世界各地を旅して、その土地の魅力と人々の暮らしを美しい写真とともに伝えてきたトラベルカルチャー雑誌「TRANSIT」。これまでに100カ国以上を紹介してきた同誌で発表された各国で出会った人々のポート…
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「ワールド・ロードトリップ」ゲシュタルテン編
暮らすように旅をする人々とその相棒となる愛車の改造例を紹介するビジュアルブック。 「料理を学び、高級レストランで働くことを目標にしてきた」フランス人シェフのセシールとシモンは、そんなシェフとし…
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「東京」中野正貴著
オリンピック開催で世界中から注目される東京を30年以上にわたり撮り続けてきた写真家の作品集。 「東京主塔」と名付けられた冒頭の章では、さまざまな場所から眺めた東京タワーの風景が並ぶ。著者は東京…