『ペイパーバック・ライター』60年前の日本との実力差を感じる凝った機材セッティング
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アルバム『パスト・マスターズvol.2』(1988年3月7日発売)⑧
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■『ペイパーバック・ライター』
今回は、アルバム『リボルバー』(66年)発売前に出されたシングルの両面2曲をご紹介する。
まずA面。「ペイパーバック」は、もう日本語になっている。厚いカバーの付いていない安価な本という意味だ。
それはともかく「ペイパーバックライター(大衆作家)になりたいのです」という編集長宛ての手紙の内容が、そのまま歌詞になっているというのがすごい。
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先に、猿の交尾を見て歌詞を書いた(『ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード』68年)という話を紹介したが、このあたりのポールの作詞家としての柔軟性については、もっと語られていいと思う。
60年前のビートルズ日本公演は、この曲のリリース後、『リボルバー』リリース前だったので、この曲が演奏された。
よく知られている6月30日の初回公演の映像では、マイクスタンドのセットが緩くて、徐々に動いていくマイクを、たえず手で戻しながら歌うポールの姿が拝める。
ごめんよ、ポール。日本はまだ、コンサートの機材セッティングには慣れていなかったんだよ。
そんなポールが、この曲の録音のとき、ベースの音を生々しく拾おうと、アンプの前に大型スピーカーを置いて、マイク代わりにして集音したというエピソードがある。
さすがだよ、ポール。イギリスはもう凝った機材セッティングにも慣れていたんだね。
■『レイン』
スピーカーをマイク代わりにしたA面もそうだが、B面も、ポールのベースが素晴らしい。
フレーズは同時期にジョージが作った『タックスマン』(66年)に似ている。つまりは日本でも大流行し、最終的にレベッカ『ラズベリー・ドリーム』(86年)に至る、あのフレーズに近い(『タックスマン』の紹介時に触れた)。
しかし曲そのものはジョンによるもので、日本ほどではないにしろ、いかにも雨や曇りの日が多いイギリスで生まれた曲という感じ。「雨が降っても、太陽が照っても、すべては気の持ちようさ」
さて、この曲といえばエンディングで聴こえるテープの逆回転による変な音である。『リボルバー』の『アイム・オンリー・スリーピング』では、テープ逆回転ギターソロが出てきたが、ここでは声の逆回転である。
最近は便利なもので、逆回転再生が簡単にできるPCソフトがある。そこでさっそく当該部分を逆再生した。果たして、ジョンは何を語っていたのか!?
結果、聴こえてきたものは──ジョンによる、この曲の歌い出しだった。なーんだ。
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