自覚症状が出てからでは遅い!“沈黙の臓器”肝臓こそ毎日のケアを

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「肝心要」という言葉があるように、肝臓は人間にとって重要な臓器だ。肝臓の主な役割とは、食べものから摂った栄養を貯蔵し、必要な時にエネルギーに変える「代謝」と、アルコールや老廃物などの有害物質を無毒化する「解毒」、消化・吸収を助ける「胆汁の生成」だが、その働きは実に500以上もあることから、「身体の中の化学工場」とも呼ばれる(※1)。手術で部分的に切除しても元の大きさに戻るほどの再生能力がある(※2)ため、とても丈夫な臓器だともいわれる。

 だが一方で肝臓には、“沈黙の臓器”という別名があるのをご存じだろうか。多少のダメージを受けていても働き続ける“頑張り屋”ゆえに自覚症状がなかなか出ない、つまり“SOS”が分かりにくい臓器なのだ。酒の飲み過ぎや日頃の不摂生などが原因でジワジワと機能が低下し、気づいた頃には既に……という状態に陥っていることも。

 自覚症状が出ないまま肝臓の機能が低下すると、糖や脂肪の代謝がスムーズに行えなくなって高血糖や脂質異常を招き、脂肪肝を引き起こし、さらなる肝機能低下を招く……という“負のスパイラル”に陥ってしまう。健康診断や人間ドックで、肝機能マーカーのγ(ガンマ)-GTPに51以上、ALTに31以上など“要注意”の数値(※3)が出たにもかかわらず、放っておいたがために肝機能が悪化というケースも。

 ただでさえ、働き盛りのビジネスマンは普段から肝臓に負担をかけがちだ。新しい生活様式で仕事上の会食や同僚らとの飲み会が激減しアルコール摂取量は減ったかもしれないが、在宅勤務のストレスでつい油っこいものや甘いもの、脂の多いお肉を食べ過ぎたり、睡眠運動の不足など悪い生活習慣も、肝臓にはボディーブローのようにジワリジワリとダメージを及ぼす。

 厚労省が「健康を守るための12の飲酒ルール」で提案している「週2日の休肝日」(※4)にとどまらず、肝機能対策として大事なのは、生活習慣の改善による日々のケアなのだ。

肝臓ケアは簡単に習慣化できる!

 実はいま、毎日の肝臓のケアついて注目を集めている成分がある。健康に敏感な芸能人やアスリートが摂り始め一大ブームを呼んでいる、ブロッコリーの新芽ブロッコリースプラウトに多く含まれるスルフォラファングルコシノレートだ。

 スルフォラファングルコシノレートを継続摂取することで、肝機能マーカーであるγ-GTPやALTの値が下がるという結果がある。カゴメの調査では、肝機能異常の男性52人を、スルフォラファングルコシノレート(SGS)を毎日摂る人と摂らない人のグループに分け、2カ月月後に検査したところ、スルフォラファングルコシノレートを摂取したグループのγ-GTPやALTの平均値が改善した。

 またスルフォラファングルコシノレートには、解毒酵素の産生量を高める機能がある。解毒酵素とは、主に肝臓で作られる酵素で、酸化をもたらす物質などの有害物質を、体内で無毒化させる働きがある。この解毒酵素がしっかり働いていれば、有害物質から細胞を守り、様々な病気の防止につながるのだ。スルフォラファングルコシノレートピロリ菌を抑制することが、研究により明らかになっている

 そんなスルフォラファングルコシノレートの1日の摂取目安量は30mg(※5)。継続摂取がオススメだが、実はブロッコリースプラウトに換算すると約1.5パック分(1パック20グラムとして)。最近はスーパーでも手に入りやすいとはいえ、毎日の食生活で摂り続けるのはハードルが高い。スルフォラファングルコシノレートはサラダやスムージー、サプリメントなどを普段の生活にうまく取り入れて摂るのがポイントだ。

 新しい生活様式で、体調管理には普段以上に神経を使わざる得ない毎日だが、肝臓ケアは自宅でもオフィスでも外出先でもできる時代。肝臓マーカーがちょっとでも不安なら、今日からでも日々の習慣にしてしまいたい。

■参考
※1 田中稔、化学と教育、65、404-405(2017)
※2 国立がん研究センター東病院 「肝臓の手術について」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/hepatobiliary_and_pancreatic_surgery/050/1/20171101190000.html(2020年11月30日参照)
※3 厚労省「飲酒のガイドライン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html(2020年11月30日参照)
※4 日本人間ドック学会「検査表の見方(2018年4月改訂版)」
https://www.ningen-dock.jp/public/method(2020年11月30日参照)
※5 河出書房新書 大澤俊彦著より ISBN 978-4-309-50262-5


【外部リンク】スルフォラファングルコシノレートについてより詳しく知る

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