著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一(11)ひとりぼっち寂しく貧乏飯を食べながら「先生も同級生もバカだな」と思うことにした

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「当時のお住まいは」

萩本「丸山町って文京区の小石川植物園の隣」

増田映画館はどちらまで行かれたんですか」

萩本「巣鴨」

増田「結構ありますね」

萩本「うん。40分ぐらい。テクテク、テクテク歩いて」

増田「それを考えると、まあこういう言い方も逆説的になりますけど、貧乏であったことも幸運だったんですね」

萩本「貧乏はね、ラッキー。貧乏しなきゃ成功してない。神様がね、はい、貧乏してんのね。はーい、インチキしなきゃね。はい。あなたの望みのところに行きますよって言ってる気がする。ですから、悲しい時とか、ちょっとこんちくしょうと思う時は、俺全部の窓開けて、大空、星見たりね。毎日は空見ない。お願いする時だけパッと開けて『神様、見てるよね』って言って。何かしてくださいって言わないの。『見てるよね。俺ひどいだろう。以上です』ってお伝えだけする」

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