井上陽水
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2025年も「1975年組」の活躍はファンを喜ばせた
ところで、1975年のキーパーソンたちは、この2025年、どのような活動をしていたのか。 まずは吉田拓郎。22年には「年内をもって音楽・芸能活動の一線から退く意向」と報じられたが、7月21日発売のKinKi Kidsのアルバ...
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松田聖子で完成する歌謡曲との対立から融合への大きな過渡期
1975年の音楽シーンをつぶさに観察して思ったのは、歌謡曲とニューミュージックの融合ぶりである。そして思ったのだ。「ニューミュージックって、歌謡曲の敵じゃなかったっけ?」と。 まずもって、この年のレコード大賞が、人気フォーク...
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憑依型ボーカルで複雑な人間関係を歌う「Jポップの義理の母」
さる11月13日、新刊「日本ポップス史1966-2023」(NHK出版新書)のプロモーションも兼ねて電話出演したABCラジオ「ますだおかだ増田のラジオハンター」でしゃべったこと。 ──吉田拓郎を「Jポップの父」としたら「Jポップの...
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この年の第一歩がアウトサイダー4人の大成功につながった
1975年以降の元はっぴいえんどの大活躍は、ここには収まりきれない。なので非常にざっくりと、主だったものに絞って並べていく。 まず細野晴臣は、坂本龍一、高橋ユキヒロとのイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)で大ブレーク、...
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ブレーク前夜、豪徳寺の星空に吸い込まれた唯一無二の高音
前回、1975年以降の井上陽水について「妖怪ぬらりひょんのように、単一イメージでいることを拒否し続けた」と書いた。つかみどころがない不思議な人というイメージが、井上陽水の人気安定化につながったということが言いたかったのだ。 ...
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一貫して漂わせ続けた音楽ビジネスへのアンチテーゼ
このたび発売された拙著新刊「日本ポップス史1966-2023 あの音楽家の何がすごかったのか」(NHK出版新書)にも書いたのだが、1975年当時の井上陽水作品に漂う暗さは、彼の生まれ育った土地の影響が強かったのではないかと、私は見て...
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つかみどころのない歌詞世界が、陽水の音楽人生を長期高値安定化させた
前回取り上げた、この曲のノリノリの演奏は、井上陽水のボーカルにも影響を与えている。 何というか、声が乗っているというか、はじけているというか。 一部、天下の井上陽水にもかかわらず、音程がズレている箇所さえある。 ...
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マネーメーキングスターのベスト盤を巡る24年の物語
売り上げ25万枚を超え、チャート1位にもなったアルバムなのだが、今となっては、あまり知名度が高くないだろう。なぜならオリジナルアルバムではなくベストアルバムなのだから。 ちなみに、1975年の井上陽水には、もう1枚、ほとんど...
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襲い掛かる苦難のたび、音楽の神様が必ず味方する
今回は1975年「以後」のフォーライフについて書く。 いつの世も、果敢な挑戦にはリスクが付きまとう。人気音楽家が主体となって作られたレコード会社、フォーライフに襲いかかる苦難、苦難、また苦難。 苦難その1。既存のレコ...
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無理やりな選挙で社長を決めた「100億円の旗揚げ」
今回から3回は「1975年からのフォーライフ」という特別編。 この年に立ち上がったレコード会社──フォーライフ。小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげるという、人気音楽家が主体となって設立したレコード会社として、音楽ファンの大...
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【忌野清志郎】と沢田研二=筋金入りの「気まぐれ反骨」のデュエット
『KI・MA・GU・RE』という曲が好きだ。 名曲揃いの『彼は眠れない』(89年)収録曲なので、アルバム中のベストというほどではないが、何といっても、沢田研二と忌野清志郎のデュエットで、かつタイトルがこの2人の生き方を言い当て...
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見事な録音も加勢したから「氷の世界」は売れまくった
とにかく売れた。売れまくった。 井上陽水のアルバム「氷の世界」(1973年)のことだ。 何といっても日本初のミリオンセラーアルバムである。90年代に入って、いわゆる「CDバブル」に乗った形で、ミリオンセラーアルバムが...
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デビューアルバム「断絶」ヒットの理由は、若者の「敗北感」だけではない
「GREAT3」、2人目は井上陽水。 吉田拓郎とは違う意味で1970年代前半、時代の寵児だった。違う意味──違う価値観というか、違う宇宙というか。 この時期の井上陽水といえば、何といっても、日本初のミリオンセラーアルバ...
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若者の血をたぎらす、吉田拓郎の歌声のアルコール濃度の高さ
「彼の歌声には若者の血をたぎらすアルコールが混じっている」 石田伸也「吉田拓郎疾風伝」(徳間書店)にあった武田鉄矢の言葉だ。「彼」とはもちろん吉田拓郎。当時の「彼」のすごみを表した最高の言葉だと思うのだ。 「ニューミュー...
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ニューミュージックとは「戦後生まれ世代による自作自演音楽」のムーブメントだ
前回はタイトルにある「1975」の話をしたので、今回は「ニューミュージック」の概論を語っておきたい。 「そのときニューミュージックが生まれた」の「ニューミュージック」って何じゃらほい、という話。 その答えは、この連載の...
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今にも通じる重苦しい時代にヒットした音楽だからこそ、振り返る意味も価値もある
拓郎、陽水、ユーミンという「GREAT3」が君臨し、達郎、浜省、みゆき、永ちゃんという「BIG4」がデビューした1975年。音楽シーンを取り巻く時代全体は、どんな雰囲気だったのか。 私の小3の頃の記憶をたどると、今=2025...
