日本外交と政治の正体
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台湾での米中衝突で欧州国民は中立を志向 日本は例外的な米国への隷属国
台湾問題で米中が衝突した時、欧州がどう対応するかは、日本の安全保障に関わる重要な問題である。前回、このコラムでマクロン仏大統領の対応をみた。マクロン大統領は4月訪中から帰途した際、「最悪の事態は、欧…
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マクロン仏大統領は反中同盟加入を拒否「米国の同盟国は米国の臣民ではない」
米国の基本戦略は、①ウクライナという対立軸をつくり、NATOを対ロシアに対峙させ、ロシアを弱体化させる②アジアでは台湾という対立軸をつくり、西側諸国を対中国に対峙させ、中国を弱体化させること――にあ…
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緊張続く今日の米中関係と「トゥキディデスの罠」
米中両国間の緊張が続いている。 私はこの緊張は心理的側面が強いと見ている。 日本では、十分認識されていないが、中国の米国に対する追い上げは激しい。米国情報機関CIAが公開しているサイ…
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今もなお続く1957年砂川事件の意味 まさに今日の台湾問題に該当する
砂川事件は1957年に起きた。 在日米軍が東京・立川基地の拡張を求めたことについて、反対する住民が「砂川基地拡張反対同盟」を結成。同年に政府が強制測量を実施したことに対し、一部のデモ隊が阻止…
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日本の自動車産業、半導体関連産業の未来は? 安易な中国向け輸出規制の行く末
日本の輸出の主要品目構成(2021年)は次の通りである。 自動車12.9%、半導体等電子部品5.9%、鉄鋼4.6%、自動車部分品4.3%、半導体装置等製造装置4.0%。改めて日本の輸出でいか…
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維新の躍進と「身を切る改革」の中身 最大の目標は公的事業の民営化だ
日本は今、貧困化が進んでいる。物価の値上がりに対して賃金上昇が追い付いていない。従って、実質賃金は下がり、当然、年金生活者の受給額も目減りする一方だ。 日本国中に不満が広がるなか優雅に暮らし…
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再び安倍元首相銃殺事件を考える 警察は国民の疑念に答える義務がある
2022年7月8日、近畿日本鉄道大和西大寺駅北口付近で、参院選の応援演説をしていた安倍元首相が銃撃され死亡した。 事件後、約10カ月が経過した。「人の噂も七十五日」という。事件は国民の記憶か…
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金融面で着実に力をつけている中国が警戒する米国の「ドルの武器化」
CIA(米中央情報局)が公表した「ワールドファクトブック」で、2021年ベースの各国の輸出量が、中国は3兆5540億ドル、米国が2兆5570億ドルだったのに対し、日本は9191億ドルだった。 …
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仲介役を担わない日本 なぜウクライナ和平に動かないのか
日本は9条を含む憲法を持つ。多くの国民は、日本は平和を追求する国と思っている。だが、国際問題が軍事紛争に発展した時、日本は平和的解決を目指す先頭を切っているのであろうか。 2022年11月1…
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安倍元首相を銃殺したのは山上被告なのか…犯人が別にいるのであれば、世紀の滑稽譚に
ジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺事件が起きたのは1963年11月22日である。当初、リー・ハーヴェイ・オズワルドの単独犯行とされたが、今日、多くの米国人は単独犯行とは考えていない。映画監督のオリバ…
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トランプ前大統領の起訴は「非アメリカ的」で「法制度の武器化」なのか
米国の大統領に誰が就くのかは単に同国の将来だけではなく、世界の動向を左右する。バイデン大統領は「国防総省・軍事産業が一体化した軍産複合体」と「金融資本、多国籍企業」がつくり出した政権であり、その対抗…
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ロシアのウクライナ侵攻後の安倍元首相の発言 完全否定で「より強い力」が日本を覆った
何か事件が発生した際、その時には重要性に気づかないが、後々検証すると歴史上、極めて重要な意味を持つものがある。 昨年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻した。そして、同27日にフジテレビ系…
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アメリカに牛耳られた日韓関係 韓国・尹錫悦大統領の訪日は不思議だった
韓国の尹錫悦大統領が16日から2日間の日程で訪日した。 不思議な訪日である。ほとんどの日本人と韓国人はこの訪日を歓迎していない。特に、韓国では、国民の強い反発を受けている。 訪日前、…
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東京大空襲から考える日本の対米隷属 日本の要人を協力者に仕立てた米国の算段
第2次大戦は今や遠い昔のこととなりつつあるが、それでもさまざまな場所で追悼の行事が行われている。 米国では、国際的な緊張が起きると、「リメンバー・パールハーバー(真珠湾攻撃を記憶せよ)」が出…
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ウクライナでロシアが勝利する日 日本は5年後、10年後に今の行動を後悔するだろう
日本国民は正義よりも強い者につくことを優先する。正義が強い者の利益と一致する時、声高に正義を主張する。だが強い者が正義に反する時は沈黙する。 米国が「イラクは核兵器開発を行い、世界を脅かす」…
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あらためて「日航123便撃墜事件」を考える ボイスレコーダー非開示の理由は何なのか
私は一般的に個別の事故にはあまり立ち入らない。判断するためには、情報が限られているからである。 ある日の講演後、一人の男性が近寄り、名刺を渡しながらこう言った。 「私は防衛省担当の記者…
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沖縄が自ら中国との対話の場をつくるべき
沖縄県那覇市の琉球新報ホールで10日、「平和的解決をめざして─ウクライナ問題から台湾問題へ」と題して講演した(沖縄の「基地と行政」を考える大学人の会主催、琉球新報社、沖縄タイムス社など共催)。 …
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森元首相の発言に批判殺到も…ウクライナ戦争でロシアは負けないだろう
「ロシアが負けるということは、まず考えられない」 先月下旬、森元首相はこう指摘し、ウクライナ支援を強める日本政府の姿勢に対し、「こんなに力入れちゃっていいのか」と懸念を示していた。 こ…
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【追悼】鈴木邦男氏が語っていた「本当の愛国心」の意味と我々をつなげた安倍政権
民族派団体「一水会」の顧問、鈴木邦男氏が1月11日、療養先の病院で亡くなった。79歳だった。 鈴木氏との最初の出会いは第2次安倍政権下の2014年だった。当時、現代書館の菊地泰博社長から電話…
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ウクライナが新型戦車の供給を強く求める理由と米長官がゼレンスキー大統領に伝えたこと
ウクライナ戦争は実質、米国の兵器対ロシア軍の戦いだ。確かに戦場で戦うのはウクライナ兵とロシア兵であり、戦死するのは両国の兵士だ。しかし、ウクライナ兵が使う兵器は主として米国製である。上空20~30キ…