五木寛之 流されゆく日々
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連載10925回 人が歩くということ <3>
(昨日のつづき) これまで何度も書いてきたことだが、私は本格的な扁平足である。いわゆるベタ足だ。 辞書を引くとこれが大変なことになっている。広辞苑によればこういう事らしい。 <運動などによる…
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連載10924回 人が歩くということ <2>
(昨日のつづき) ホモ・サピエンスと人間を規定したのは、スウェーデンの生物学者リンネだという。 これに対して、ホモ・モーベンスという言葉が出てきたのは、いつ頃のことだろう。 ホモ・サピエン…
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連載10923回 人が歩くということ <1>
最近、杖をついて歩くようになった。 なんとなく気が引けるところがあるが、仕方がない。 数年前に変形性股関節症と診断されて、その後これという打つ手がないままに日が過ぎた。 「プールで歩行トレ…
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連載10922回 続・新聞記事落ち穂拾い <5>
(昨日のつづき) きょうは特別にこれといったニュースがない。見る人によっては重大ニュースが目白押しかもしれないが、私の個人的関心からは遠く離れた記事ばかりである。テレビでは知ることのできないような…
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連載10921回 続・新聞記事落ち穂拾い <4>
(昨日のつづき) 数日、ぐずついた天候が続いたが、きょうは梅雨どきにはめずらしい好天だ。青空に小学生が描いたような雲が浮かんで、なんとなく夏休み気分。 コロナ以後、じつにさまざまなカタカナ文字…
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連載10920回 続・新聞記事落ち穂拾い <3>
(昨日のつづき) きょうの新聞は、各紙とも特に目立ったニュースがない。そういう日があるものなのだ。 新型コロナのパンデミックは、予想どおりブラジルで爆発的に拡大している。ペルーその他の国々も目…
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連載10919回 続・新聞記事落ち穂拾い <2>
(昨日のつづき) 一種類の新聞を長く読み続けるのは問題があるのではないか、と思うようになった。 できればいろんな新聞を交互に読むのがいいと思う。もっといいのは、すべての新聞を同時に読むことだ。…
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連10918回 続・新聞の落穂拾い <1>
私は川柳のファンである。最近は「川柳」のことを「カワヤギ」と読むヤングメンもいるらしい。 <親鸞をオヤドリと読む若い人> というのは私の勝手な作品だが、最近出した『他力』(新書版)も、「タリョ…
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連載10917回 コロナの梅雨がきた <5>
(昨日のつづき) きのうに続いて再びチップのことを書く。『世界発2020』のチップに関する記事からの引用である。 ワシントンでは、7月から一般労働者の時給が、14ドルになるという。しかしチップ…
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連載10916回 コロナの梅雨がきた <4>
(昨日のつづき) 快晴とはいえないが、今日はいい天気だ。6月の風がコロナの街を吹き抜けていく。 気分を変えて、どうでもいい事を書く。 チップの話だ。 海外旅行にでかけて、頭を悩ますこと…
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連載10915回 コロナの梅雨がきた <3>
(昨日のつづき) 前にも書いたと思うが、近頃やけに数字が気になるようになってきた。昔から数学が苦手で、高校時代も幾何以外はほとんど合格点がとれなかったのに、この年になってどういう風の吹き回しだろう…
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連載10914回 コロナの梅雨がきた <2>
(昨日のつづき) コロナウイルスの南進については、以前からずっと言い続けてきた。気になっていたのは、インドとブラジルである。 ブラジルはじわじわと感染者・死者を増やしてきて、ついに世界第2位の…
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連載10913回 コロナの梅雨がきた <1>
きょうも雨。梅雨入りして以来、約束したかのように雨の日が続く。 梅雨は、また黴雨とも書く。バイキンの黴だ。「黴」はカビの意であるらしい。いろんなものにカビが生えるジメジメした季節ということだろう…
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連載10912回 小人閑居して妄想す <5>
(昨日のつづき) いよいよ梅雨入りである。午前中は陽の光もさしていたが、午後から生暖かい風が吹き、やがて雨になった。当分傘と縁の切れない日が続きそうだ。 金沢では今年いちばんの豪雨だった由。 …
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連載10911回 小人閑居して妄想す <4>
(昨日のつづき) このところ新聞の広告で目立つのは、腰、膝、脚など下半身の痛みを軽くするという薬品の宣伝である。 新聞の一ページをまるまる使った大広告が多い。あれだけの広告を出しても引き合うと…
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連載10910回 小人閑居して妄想す <3>
(昨日のつづき) 深夜までやっていた店が、次々と終業時間を早めている。ファストフードのチェーン店なども終夜営業をやめるらしい。 新宿の歌舞伎町などで感染者が出ているところから、いわゆる「夜のお…
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連載10909回 小人閑居して妄想す <2>
(昨日のつづき) 最近、やたらと新聞を読むようになった。テレビは各局、申し合わせたように同じテーマの番組ばかりやっている。天気予報も同じ時間にやるし、CMまで揃って一緒にやる。報道番組に関しては、…
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連載10908回 小人閑居して妄想す <1>
横田めぐみさんの父君、横田滋さんが亡くなられた。私と同じ87歳でいらしただけに、感慨深いものがある。 きょうの産経新聞のコラム『産経抄』によれば、めぐみさんが小学校卒業の折り、謝恩会で独唱したの…
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連載10907回 ウイズ・コロナの夏がきた <5>
(昨日のつづき) アメリカの抗議デモの逮捕者が、1万3000人をこえたとTVニュースは伝えている。 私は数字にはほとんど関心がない古い世代だが、このところいやに数字が気になるようになった。 …
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連載10906回 ウイズ・コロナの夏がきた <4>
(昨日のつづき) どうもアメリカ大陸の南と北が不安定である。 今朝の日経の記事で、ワシントンのコロナウイルスの死者、約460人のうち、黒人が8割を占めるというのがあった。 また、全米10万…