近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策
地獄の季節がやってきました。快晴無風のトーナメント会場は、まさに命の危険を感じる酷暑。日傘は有効ですが、試合中に差しているキャディーはいません。バッグを担ぎながらも、選手にドリンクや氷嚢を渡したり、歩測計算もあるので、両手は使える状態にしておかなければいけないからです。
ボクがこの仕事を始めた1998年当時より、今ははるかに暑い。女子の3日間大会の予選はハーフ休憩が40~50分あります。4日間大会は午前と午後スタートなのでハーフ休憩はないから大変です。
コロナ禍の中で行われた2021年7月の「GMOサマンサタバサゴルフ」のことです。李知姫プロとコンビを組んだ初日に熱中症になりました。スポーツドリンクを飲み続けていましたが、残り3ホールぐらいで急にだるくなり、手足がしびれてきたのです。どうにか18番グリーンまでたどり着きましたが、あと1ホール残っていたら間違いなく倒れていましたね。
そんな状況を知らない知姫プロは、18番で最後のパットを外し、アテストが終わると「少しパットの練習をする」という。クラブハウスで頭から水をかぶり、何もないような顔で練習グリーンへ急ぎ、約15分間、ボールを打ち続ける知姫プロに日傘を差し続けていましたが、立っているのが精いっぱいでした。熱中症の後遺症なのか、その後3カ月ぐらいは原因不明のだるさが残りました。