「表と裏」の法律知識
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岸田首相襲撃犯はなぜ「殺人未遂罪」ではなく「威力業務妨害罪」で逮捕されたのか?
和歌山県内に選挙応援のために訪れていた岸田首相に対し、爆発物が投げつけられた事件。職業不詳、24歳の男性が現行犯逮捕されましたが、その逮捕事実が殺人未遂罪ではなく、威力業務妨害罪(3年以下の懲役もし…
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遺産分割で新ルール…介護をがんばってきた人は知らないと大損です
皆さんのお知り合いの中に、亡くなられた方の遺産分割をせずに放置してしまっている方はいないでしょうか。または誰も欲しがらない不動産があるために、相続処理に目をつむっている方などはいらっしゃいませんか。…
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個人の「裁判を受ける権利」を軽視する検察官の横暴
憲法は、個人の「裁判を受ける権利」を保障しています。適正な手続きの下、公平な裁判所での「裁判を受ける権利」を保護することで、各個人が自身の自由や権利を守る手段として裁判を利用することができ、また刑罰…
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強盗犯が被害者に反撃されて死亡…正当防衛はどこまで許される?
3月21日の午前9時半ごろ、東京・池袋のマンションで強盗事件が発生しました。ガス業者を装った複数の男らが押し入り、部屋にいた会社社長の男性らに刃物を突き付け、手足を結束バンドで縛り、現金約100万円…
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検察審査会って何? 元陸上自衛官の強制わいせつ事件が「不起訴不当」で逆転起訴に
今月17日、福島地検は元陸上自衛官の男性3人を、強制わいせつの罪で起訴しました。この起訴には二転三転がありました。当初、被害者女性が被害届を提出したものの、検察官の判断で不起訴。これを不当とした被害…
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神奈川県警「被疑者ノート」改ざん事件に判決…昭和感覚の警察官はまだいる
「被疑者ノート」という言葉をご存じでしょうか? 刑事事件を扱う弁護士はよく利用しますが、一般の人にはなじみがないかと思います。 「被疑者ノート」とは、弁護人が差し入れ、被疑者に体調や精神状態、取…
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スポーツ名門校顧問が暴行容疑で逮捕…部活での体罰・パワハラは時代が変わっても止まず
WBC日本代表に選ばれた大谷翔平選手も佐々木朗希選手も、僕と同じ岩手県出身。全身全霊をかけて応援しています。 佐々木朗希選手といえば、今から4年前、所属する大船渡高校が岩手県大会決勝に進んだ…
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警察とて人の子 調書や証言を妄信してはならない
先月24日、千葉県警の巡査部長が、ウソの調書作成や偽証などで停職3カ月の懲戒処分を受けたとの報道がありました。 巡査部長は松戸警察署に勤務していた5年前、当時松戸市内で起きたトラックと自転車…
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ガーシー議員の懲罰 簡単に「除名」にまで追い込むのは本当に正しいのか
参議院議員のガーシーこと東谷義和議員に対する懲罰が連日報道されています。 東谷氏は、僕のクライアントでもあります。だから、公平な意見ではないと思われても仕方がありませんが、一時の「大きな声」…
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恋愛の延長と犯罪の境界線…これをやったらあなたは「ストーカー」
先月、福岡市の博多駅前の路上で女性が元交際相手に殺害されるといった事件がありました。容疑者は、つきまとい行為を続け、ストーカー規制法に基づく禁止命令が出されていたようです。 好意を寄せる相手…
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「ルフィ」名乗った4人の男は日本に向う飛行機の中で逮捕…どんな法的根拠か?
「ルフィ」と名乗る人物たちの連続強盗事件のニュースが連日世間を騒がせています。今週、フィリピンの入管施設に収容されていた4人の男が日本に向かう飛行機の中で逮捕されました。逮捕のもとになった犯罪は別の特…
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人間がペットを虐待しても実刑にならず…それは法律上の「物」だから?
先日、京都地裁において、ペットを虐待したとして動物愛護法違反の罪で起訴された男性(42)の判決公判がありました。事件の内容は、男性が、ペットショップで購入したばかりの飼い猫の爪や舌を切断し、胸腹部を…
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刃物携帯は意外に厳しい…「キャンプで使うつもりだった」はNG?
一昨年の令和3年12月頃、鮮魚店を営む男性が、警察官から職務質問を受けた際、かばんのポケットからの十徳ナイフ(刃渡り6.8センチ)が発見されたとして、軽犯罪法違反(凶器携帯)に問われた事件がありまし…
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審理わずか1時間程度、即日判決で被告人が刑務所行き…連発する裁判官が話題
たった1時間程度の審理しかしていないのに、被告人を刑務所に送る実刑判決を下す。しかも、そのような判断を連発している裁判官がいると熊本日日新聞が報じ、話題になっています。 熊本県弁護士会は20…
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裁判って命がけ? 茅ケ崎市で起きた“お礼参り”刺殺事件の教訓
昨年12月、神奈川県茅ケ崎市の住宅敷地内で、会社員の男性(55)が刺殺された事件。テレビのニュースなどでも大きく報道されました。 この事件で逮捕された職業不詳の高井靖弘容疑者(50)は、被害…
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「当番弁護士制度」は知っていないと大損 被疑者にはこれだけのメリットが
「当番弁護士制度」というものをご存じですか?これは、なんらかの理由で逮捕された人が、弁護士会から派遣される弁護士に対し、無料で1度相談できるという制度です。派遣を依頼するには、警察官らに「当番弁護士の…
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大分市の時速194キロ死亡事件裁判 検察の「危険運転」訴因変更請求がもたらす光と闇
今年8月に当コラムでも取り上げた、大分市内で起きた時速194キロの死亡事件の裁判。当初は「過失」運転による死亡事故として起訴していましたが、検察側はより刑が重い危険運転致死罪を求めて訴因変更請求をし…
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性転換しても女湯入浴は罪になる? 元男性のYouTube投稿が物議
「おっぱい天国だった」──性転換手術を受けた元男性がYouTubeで、女湯に入った感想を話す投稿をし、物議を醸しています。 自身をトランスジェンダーと称する投稿者は「スザンヌみさき」さん。性転…
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W杯日本代表選手への行き過ぎたコメントが…暴言、誹謗中傷は法的にも問題あり
決勝トーナメントでは惜しくもクロアチアにPKで負けましたが、サッカー日本代表選手の活躍や監督の采配には、日本中で多くの称賛の声が上がりました。 ドイツやスペインといったサッカー強豪国を破り、…
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民法改正で自治体は大混乱…来年の成人式は18歳だけ? 20歳はどうなるの?
毎年1月には日本の各地で成人式が催されますが、いま多くの自治体で混乱が起きています。それは民法の改正で、今年4月から成人年齢が18歳に引き下げられたからです。 そもそも成人式は法律に規定はあ…