参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃
今月行われた参院選で、外来生物の「ジャンボタニシ」(正式名称・スクミリンゴガイ)がにわかに注目を浴びた。
参政党の奈良支部や一部党員が、過去に「田んぼにジャンボタニシをまき、雑草を食べさせる」といった内容をSNSに投稿し、大炎上。農水省が昨年3月、Xで「ジャンボタニシ放飼は止めてください!」と呼びかける事態にまで発展していたことが、参院選で蒸し返されたのだ。
ジャンボタニシは1981年に食用目的で輸入されたが、大量投棄や脱走によって野生化。田植え直後の稲を食い荒らすためコメ農家を苦しめている。
最近は、被害の発生地域が拡大傾向にあるという。温暖化が原因だ。
「1980年代からジャンボタニシが定着した九州地方などでは、比較的対策が確立されています。しかし、最近は温暖化で越冬が容易になるなどして東日本にも生息域が拡大しており、防除の知識や技術がない生産者が被害を受けている。ヘクタール単位の被害が出ることもザラだし、繁殖力が非常に強く、一度定着すると根絶は至難の業。本当に厄介な存在です」(農水省関係者)