1975 ~そのときニューミュージックが生まれた
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タモリ生誕80年&芸能生活50年を盛大に「勝手に」お祝いしよう
今回は特別編「1975年のタモリ①」をお届けします。 さて、かねて告知しておりましたが、来たる8月21日(木曜日)に、日刊ゲンダイ後援の下、「TAMORI80~勝手にタモリ80歳大生誕祭!!…
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地球規模のペンタトニックワルツを歌いきる雄大なボーカル
ついにこの連載にも五木ひろし降臨。 「千曲川」、いい曲だと思う。子供の頃には、この曲のよさなど、まったく分からなかったが、今になって染みてくる。 メロディーは「ド・レ・ミ・ソ・ラ」しか…
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書き手も「ロックンロール」しなくてどうする
今回も特別編として、先週、訃報が伝えられた音楽評論家・渋谷陽一の文章を紹介したい。 前回は1979年のコラムだったが、今回は、76年3月24日に書かれたレッド・ツェッペリンの傑作アルバム「プ…
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メディア人が肝に銘じるべき「ロックの伝道師」の腹のくくり方
今日と明日は特別編として、先週、訃報が伝えられた音楽評論家にして、ロッキング・オン・グループ会長・渋谷陽一の追悼記事を書く。 連載テーマ「1975年」ともほぼ無関係な追悼文を、この枠に割り込…
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手応えを感じなければ、あの傑作はもっと早く世に出ていた
前回、細野晴臣「トロピカル・ダンディー」(1975年)と比べて「密度が違う」と評したこのアルバムだが、その印象は、何度聴いても変わらない。 その「密度」を濃厚にしているのは、歌より、メロディ…
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『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した
(前回までのあらすじ) 大滝詠一のソロアルバム「大瀧詠一」(1972年)に苦言を呈した細野晴臣。発奮したであろう大滝詠一が「NIAGARA MOON」を世に放つ。それを聴いて細野晴臣はどう反応…
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大滝詠一はまわりの動きを見て、最後に自分をはめ込むタイプ
大滝詠一のソロアルバムである。 1981年の大ヒットアルバム「ア・ロング・バケイション」以降、さらには彼が亡くなった2013年以降、若者も巻き込んで増殖し続ける大滝詠一マニア(ちょっと前まで…
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小3が意味もわからず口ずさんだ当時のヒット曲のすごさ
それにしても、当時のヒット曲は、真の意味で「ヒット」してたんだなぁと、つくづく思う。 もちろん、売上枚数でいえば、1990年代の「CDバブル」時代の方が、70年代のヒット曲を圧倒している。 …
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ゲストの多様な顔ぶれこそがキャロルの魅力のなせる業
アルバム「燃えつきる=キャロル・ラスト・ライヴ!1975 4.13」には、6分を超える、ちょっと変わった曲が入っている。 いや曲ではない、しゃべりだ。タイトルは「ゲスト紹介」。 矢沢…
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映像で体感できる矢沢永吉特注「琵琶ベース」の見事なグルーヴ
キャロルの解散コンサートは映像が商品化されている。 私はDVDだけでなく、その前にVHS版も買ったのだが、その内容には本当に大満足した。 買うならCDではなくDVDだ。何といっても、…
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解散コンサートでのユウ岡崎の圧巻のドラムプレイはもっと語られるべき
キャロルの解散コンサートについては、この連載では「1975年までの矢沢永吉」の回で、すでに触れている。というわけで、今回及び次回は、その模様を収めたライブアルバムについて解説したい。 タイト…
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「ミスター青春ドラマ」が見据えた青春が終わった先
「ミスター1975年」といっていい存在だ。 前年放送、いわゆる「青春ドラマ」である日本テレビ系「われら青春!」の主役を務め、同ドラマ挿入歌の「ふれあい」が大ヒット。 続く今回の曲は、同…
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「カックラキン」で開花したコメディーの才能がなければ…
連載を書くことは勉強になる。 今回、新御三家について調べて、いろいろなことが分かった。特に野口五郎については、もっとも発見が多かった。 ▼野口五郎のデビューがいちばん早い(1人だけ19…
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西城秀樹のスケールはシングル1枚に収まりきらないほどデカ過ぎる
1972年のデビューから4年目を迎えた西城秀樹。すでに大人気となっていたのだが、75年のシングル4曲のラインアップは、個人的には、それほど印象的なものではない。 「この愛のときめき」「恋の暴走…
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ゴールデンコンビ「橋本淳×筒美京平」のメロディーに乗って躍動し始める
今回から3回にわたって、特別編として「1975年の新御三家」について書く。 新御三家。すなわち、郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹である。ちなみに(旧)御三家とは「西郷輝彦、橋幸夫、舟木一夫」。 …
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苦境脱出の賭けに出た野音に「壁にむかって」が響いた
愛奴の「失敗」(とあえて言う)は、プロデュースの不在ということに尽きると思う。 結果、バンドとしてのコンセプトが曖昧のまま、バラバラな音楽性、チグハグなアイデアが、一緒くたになってしまった。…
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ソロデビュー曲で歌われる 熱い思いを感じる3曲
アルバム「愛奴」に収められた浜田省吾がリードボーカルの4曲を聴く。 まずは1曲目の「愛奴のテーマ」。いきなりつまずく。変な曲だなぁ……。 田家秀樹はこう表現する。「陽のあたる場所 浜…
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不発の要因は個性を打ち消すバンドの「民主主義性」にある
愛奴のシングル「二人の夏」は期待むなしく売れなかった。そして同日に発売されたアルバム「愛奴」もまた売れなかった。 と書いて、まずやっぱりバンド名(=タイトル名)「愛奴」がしんどいと思ってしま…
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会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった
記念すべき愛奴のデビューシングル。 作詞・作曲は浜田省吾。しかしリードボーカルは浜田ではなく、ギターの青山徹が担当した。のちに浜田が大ロックボーカリストになることなんて、メンバーどころか、浜…
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本気で形から入った浜省のビーチ・ボーイズへの憧憬
バンド「愛奴」のメンバーとしての浜田省吾のデビュー曲。 メンバーは5人。青山徹(ギター)、町支寛二(ギター)、山崎貴生(キーボード)、高橋信彦(ベース)、そして浜田省吾(ドラムス、パーカッシ…