1975 ~そのときニューミュージックが生まれた
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複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業
スージー鈴木が(今さら・勝手に)選ぶ1975年レコード大賞。今回は、作詞賞・作曲賞・編曲賞の3賞を発表したい。 まず「作詞賞」を中島みゆきの「時代」に。この曲を取り上げたときにも書いたが「時…
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日本のロック元年を到来させた大衆化とパロディー化の功績
いよいよこの連載も、大詰め。というわけで、ここからは3回にわたって、スージー鈴木が(今さら・勝手に)選ぶ1975年レコード大賞を発表していく。本物の同年のレコ大とのもっとも大きな違いは、その後の歴史…
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「先進性」の評価を放棄しなければ権威は持ち続けられた
突然ですがクイズです。昨年の日本レコード大賞に輝いたのは、誰の何という曲でしょう? 答えられる方は少ないだろう。 1975年、布施明が「シクラメンのかほり」で受賞してから半世紀後の日本にもレ…
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その後の主調となった大賞受賞曲の感傷的な過去への執着
1975年の日本レコード大賞。まずは候補曲10曲。中継の中での紹介順で(★=歌唱賞、★★=最優秀歌唱賞、★★★=大賞)。 ▼野口五郎「私鉄沿線」★、小柳ルミ子「花車」★、布施明「シクラメンのか…
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大激戦の新人賞に誰が輝くのかと大騒ぎだったあの頃
前回まで取り上げた「1975年の紅白歌合戦」に続いては、大みそか午後9時からの放送だった紅白と時間が前後するが、同大みそかの午後7時から8時55分までTBS系で放送された、この年の日本レコード大賞を…
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今年のことを語っているようなMVP五木ひろしの曲紹介
この年のNHK紅白歌合戦について。前回は、笑福亭鶴光でまるまる1回分使ってしまったが、今回はいよいよ、出場歌手の歌について。 まずはやはり、紅組トップの岩崎宏美「ロマンス」を。今年(2025…
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大抜擢したNHKと鶴光師匠の偉業を後世に残したい
1975年のNHK紅白歌合戦を語る項の2回目は、音楽ではなく、紅白名物の応援に目を向けてみたい。 この年の白組の応援を担当したのは、三波伸介と笑福亭鶴光。すでに始まっていたNHKの人気番組「…
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初出場組の説明ナレーションがなかなかに味わい深い
今から半世紀前、1975年の大みそかにタイムトリップ。より具体的には75年12月31日の午後9時だ。いよいよNHK紅白歌合戦が始まる。 当時の紅白は午後9時開始で11時45分までの2時間45…
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長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した
いよいよ「1975年の桑田佳祐」である。 「いよいよ」じゃねえよ。この年の桑田佳祐はまだアマチュアだろうが。しかし、その後「ニューミュージック」を超えて、日本音楽界最高の存在になっていく桑田佳…
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スケール感に満ちた魅力あふれる音楽の食わず嫌いはもったいない
特に私世代においては「わかれうた」(1977年)や「うらみ・ます」(80年)、さらには「3年B組金八先生」(第2シリーズ)で流れた「世情」(78年)のイメージが強過ぎたのではないだろうか。「中島みゆ…
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憑依型ボーカルで複雑な人間関係を歌う「Jポップの義理の母」
さる11月13日、新刊「日本ポップス史1966-2023」(NHK出版新書)のプロモーションも兼ねて電話出演したABCラジオ「ますだおかだ増田のラジオハンター」でしゃべったこと。 ──吉田拓郎を「…
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日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき
さる11月8・9日、矢沢永吉が東京ドームでコンサートを開催。2日間で計11万人を動員したという。 ちなみに76歳での東京ドーム単独公演は、ポール・マッカートニーと並ぶ最年長記録タイ。私のSN…
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永ちゃんが隠さず盛らずあけすけに語り尽くす無類のロック本
1975年以降の矢沢永吉の最大ヒットは何か。売り上げ60万枚を超えたシングル「時間よ止まれ」(78年)か、40万枚を超えたアルバム「Don't Wanna Stop」(91年)か。 いやいや…
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何とか日本の「戦後」を持ちこたえさせた忖度抜きのまっすぐさ
前回のクイズの答え。1980年の冬季五輪開催地はレークプラシッド。アメリカ、ニューヨーク州北東部に位置する村である。 さて、浜田省吾のマイフェイバリットソングは「I am a fathe…
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浜省ブレークと著者を転身に導いた「風を感じて」のあのパート
1975年以降の浜田省吾については、まず彼の音楽との出合いについて書いてみたい。 75年から4年経った79年の私は東大阪の中1。日曜日の夕方は必ず、大阪MBSで放送されていた「ヤングおー!お…
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タツローの演芸的側面の強いライブが「かっこええやん!」
前回は「1975年以降の山下達郎」について「82年までの山下達郎=モードとしてのタツロー」がいい、と書いた。 しかし、75年以降の最高傑作アルバムはと聞かれると、前にも一度書いたけれど、私は…
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82年までの「ディスコ&モード」がブレークをつかんだ
今回のテーマ「1975年以降の山下達郎」という時間軸でいえば、77年から82年にかけての彼の作品が好きだ。 アルバム「RIDE ON TIME」(80年)のポップさ。「FOR YOU」(82…
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加藤和彦の音楽はちっぽけじゃなく、今でも必要とされている
前回書いたように「1975年以降の元ミカ・バンド」について、高橋幸宏、高中正義、後藤次利、さらには後藤の前任ベーシストだった小原礼、初代ドラマーのつのだ☆ひろも含め、メンバーのその後の活躍にはめざま…
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新鮮な演奏上手を早々に見初めた加藤和彦の“グルメセンス”
「1975年以降の元はっぴいえんど」に負けないぐらい「1975年以降の元ミカ・バンド」も賑やかだ。 解散後、バンドリーダーの加藤和彦と、妻でボーカルのミカが別れて、バンドが空中分解したという話…
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半世紀後の音楽シーンに足りない 偉大な彼らの「知性と教養」
「はっぴいえんど中心史観」なる言葉がある。 いや、もしかしたらこの言葉を作ったのは私かもしれない。はるか8年も前、2017年に発表した拙著「サザンオールスターズ1978-1985」(新潮新書)…
