1975 ~そのときニューミュージックが生まれた
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永ちゃんの商才を表す「元キャロル」で矢沢を売らない賭け
これぞ記念すべき、矢沢永吉のソロデビュー曲である。 ご存じの通り、矢沢永吉は、1978年にシングル「時間よ止まれ」、アルバム「ゴールドラッシュ」、そして自叙伝「成りあがり」(角川文庫)で時代…
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若者のアコギ需要を掘り起こしたコードストロークの魅力
「♪ジャンジャン・ジャラッジャ・ッジャッジャ・ッジャジャッ」 数年後、音楽シーンを席巻することとなるアリスを世に出した初ヒット曲である。 チャート最高11位、30万枚弱売れているのだか…
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冷静に考えると悪くはなかった「ロンドン空中分解事件」
バンドが解散することを、よく「空中分解」と表現するが、サディスティック・ミカ・バンドの解散は、まさに空中分解だった。 ロキシー・ミュージックとのイギリス公演を終えて、ミカ・バンドのメンバーは…
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音質の限界を突破する70年代日本バンドによる最高のライブ演奏
「ちゃんとした録音機材、何で用意してへんかってん!」と何度思ったことだろうか。 このイギリス公演が、日本ロック史に残るという感覚がなかったのか、準備が忙しくて、それどころじゃなかったのか、もし…
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ロンドンっ子を熱狂させたバカテクとオリエンタルムード
イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)に先駆けて、1975年の段階で、海外で活躍したバンドといえば、サディスティック・ミカ・バンドである。 この年の10月、イギリスの人気バンド=ロキシー…
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今はなき「西早稲田通り」のレコード屋に思いを馳せる
ずっと気になっていたのだが、「恋の西武新宿線」の歌詞にある「西早稲田通り」ってどこだ? 確かに「早稲田通り」という有名な道路はあるが、あの通りを西や東に区分する言い方など、この曲以外に聞いた…
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若き浜田省吾のエネルギーが充満した青春初期衝動を聴く
本連載では、愛奴に関する記事で、すでにこの曲について好意的に語っている。今回また聴いてみて、あらためてこの曲の魅力を痛感したところである。 実はこの曲、いくつかのバージョンがあるのだが、私が…
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オールナイト野外フェスを音楽文化に定着させた拓郎の約束
石田伸也「吉田拓郎疾風伝」(徳間書店)に記された、拓郎の生の言葉を通して「吉田拓郎・かぐや姫 コンサート・イン・つま恋」当日のリアルに迫る回の続編。 「朝までやるよ! 朝まで歌うよ!!」と吉田…
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伝説のドエラいコンサートを彩る伝説の言葉たち
伝説的なコンサートは、伝説的な言葉によって生み出される──。 石田伸也「吉田拓郎疾風伝」(徳間書店)には、「吉田拓郎・かぐや姫 コンサート・イン・つま恋」の実現に向けて、主役・吉田拓郎が放っ…
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拓郎頂点の瞬間に始まったフォークの時代からの転換
「つま恋といえば吉田拓郎、拓郎といえばつま恋」である。 静岡県掛川市にある「ヤマハリゾートつま恋」(現「つま恋リゾート彩の郷」)で行われた、正式名称「吉田拓郎・かぐや姫 コンサート・イン・つま…
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セ・リーグは半世紀遅れ…この年に起きた数々のパラダイムシフト
今回はかなり特別編。1975年の音楽の横で、他のエンタメ界に何が起こっていたかを探るシリーズ。その皮切りとして今回は「1975年のプロ野球」について語ってみる。 本連載で紹介している名曲が、…
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ユーミンの「ベタと洗練」が次世代の覇権を手繰り寄せた
この曲について「よく出来た曲だなぁ」と感心するのは、前回ご紹介した歌詞に加えて、非常によく考えて作られた感じのするメロディーに対しても、である。 いい意味でユーミンっぽくないのだ。 …
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「いちご白書」を選ぶユーミンのビジネスセンスに舌を巻く
あらためて聴いて「よく出来た曲だなぁ」と感心した。 約75万枚の大ヒット。もちろんチャート1位。バンバン(ばんばひろふみのいたデュオ)の魅力もさることながら、ヒットしたのは、作家の力によると…
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爆発的セールスをもたらした天衣無縫ボーカルと恵まれたプロセス
「ピンク・レディーを除く70年代アイドルのシングルの中でいちばん売れた曲」だと前回書いた。 何といっても西城秀樹「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」(79年)よりも売れているのだから驚く…
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レコードの時代に細かくヒットを積み重ねた筒美京平のすごみ
1位がジュディ・オング「魅せられて」(79年)、2位:近藤真彦「スニーカーぶる~す」(80年)、3位:いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」(68年)、4位:尾崎紀世彦「また逢う日まで」(71年)…
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マネーメーキングスターのベスト盤を巡る24年の物語
売り上げ25万枚を超え、チャート1位にもなったアルバムなのだが、今となっては、あまり知名度が高くないだろう。なぜならオリジナルアルバムではなくベストアルバムなのだから。 ちなみに、1975年…
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後の成功につながる「西洋から見た日本」を面白がるスタンス
収録曲の中のベストトラックは、何といっても1曲目の「チャタヌガ・チュー・チュー」だろう。 少々頭でっかちなコンセプトで作られたアルバムの中で「ま、コンセプトとか小難しい話はともかく、まずは楽…
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時代に対して早過ぎ、難解過ぎた「偉大なるたたき台」
このアルバムについては、大滝詠一「NIAGARA MOON」(1975年)の回に少しだけ言及した。「NIAGARA──」を10点とすると、このアルバムは7点だと、少々シビアな評価をしたのだ。 …
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同調圧力に抗い続けたアナーキーさにもっとリスペクトを
本日、いよいよタモリ80歳の誕生日。そこで総括してみたいのだ。タモリとは一体何だったのかということについて。 個人的に強く思うのは「タモリ=同調圧力の敵」だということ。 いまだに広く…
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「ハナモゲラ語」のリズム感がグルービーで気持ちいい
明日8月22日はタモリ80歳の誕生日です。戦後80年、タモリ80年。おめでとうございます! さて今回は、特別編「1975年のタモリ」シリーズの最終回として「1975年からのタモリ」と題して、…