パニック映画ブームの陰でエロティック需要を掘り起こした
1975年の映画界
今回も特別編で「1975年の映画界」。
一言でいえば、「パニック映画」大ブームの年だった。超高層ビル火災を描いた「タワーリング・インフェルノ」、大地震を描いたその名も「大地震」。航空事故を描いた「エアポート'75」などなど。
これらパニック映画のブームは前年74年のヒット作「エクソシスト」(パニック映画というより「オカルト映画」だが)や「日本沈没」「ノストラダムスの大予言」などの流れをくむもの。つまりは73年・オイルショック以降の、不景気、物価高などの社会不安が背景にあったと考えられよう。
そしてアメリカでは、この年の夏、パニック映画の決定版のような作品が公開されて、日本では翌年に大ヒットするのだ。
その映画のタイトルは、もちろん「ジョーズ」。
邦画では「男はつらいよ」がもう国民的映画となっている。お正月映画の「寅次郎子守唄」のマドンナは十朱幸代。夏休み公開の「寅次郎相合い傘」のマドンナは、ご存じ浅丘ルリ子演じるリリーである。