1975 ~そのときニューミュージックが生まれた
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1975年4月13日、日曜日に新たな伝説が始まった
日比谷公園大音楽堂(野音)が、今年の10月1日に使用休止となり、再整備工事期間に入る。 数々の伝説のコンサートが開催された会場だが、1つだけ挙げるとすれば、キャロルの解散コンサートになるだろ…
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「キャロル」でのジョニー大倉の先見性とボーカルはもっと評価すべき
この連載では、1975年にデビューした山下達郎、浜田省吾、中島みゆき、矢沢永吉を「BIG4」としてくくるのだが、矢沢永吉の場合は「ソロデビュー」であり、バンド「キャロル」としては3年前にすでにデビュ…
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初期ファンを幻滅させた「ルージュの伝言」のポップ感
1975年が「ユーミン元年」だったという話をする。 「ルージュの伝言」「卒業写真」が収録されたアルバム「COBALT HOUR」を6月に発売。バンバン(ばんばひろふみ在籍のグループ)に提供した…
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荒井由実の「新感覚派」の本質は変態的な音楽性にある
つくづく思うのは、歌謡史、ロック史、Jポップ史は、歌詞で語られがちだということだ。 一方で音楽性、それも音楽理論に関係するあれこれは語られにくい。理屈っぽいし、専門的だし、理解されにくいのだ…
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見事な録音も加勢したから「氷の世界」は売れまくった
とにかく売れた。売れまくった。 井上陽水のアルバム「氷の世界」(1973年)のことだ。 何といっても日本初のミリオンセラーアルバムである。90年代に入って、いわゆる「CDバブル」に乗…
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デビューアルバム「断絶」ヒットの理由は、若者の「敗北感」だけではない
「GREAT3」、2人目は井上陽水。 吉田拓郎とは違う意味で1970年代前半、時代の寵児だった。違う意味──違う価値観というか、違う宇宙というか。 この時期の井上陽水といえば、何といっ…
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吉田拓郎の功績は「歌声」だけではない イノベーションの数々も別格なのだ
前回書いたのは、武田鉄矢が「彼の歌声には若者の血をたぎらすアルコールが混じっている」と評した、初期吉田拓郎の世の中的インパクト話だった。 しかし、吉田拓郎の歌声を聴いて、血がたぎった当時の若…
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若者の血をたぎらす、吉田拓郎の歌声のアルコール濃度の高さ
「彼の歌声には若者の血をたぎらすアルコールが混じっている」 石田伸也「吉田拓郎疾風伝」(徳間書店)にあった武田鉄矢の言葉だ。「彼」とはもちろん吉田拓郎。当時の「彼」のすごみを表した最高の言葉だ…
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ニューミュージックとは「戦後生まれ世代による自作自演音楽」のムーブメントだ
前回はタイトルにある「1975」の話をしたので、今回は「ニューミュージック」の概論を語っておきたい。 「そのときニューミュージックが生まれた」の「ニューミュージック」って何じゃらほい、という話…
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今にも通じる重苦しい時代にヒットした音楽だからこそ、振り返る意味も価値もある
拓郎、陽水、ユーミンという「GREAT3」が君臨し、達郎、浜省、みゆき、永ちゃんという「BIG4」がデビューした1975年。音楽シーンを取り巻く時代全体は、どんな雰囲気だったのか。 私の小3…
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「GREAT3」に続けと、達郎・浜省・みゆき・永ちゃんという「BIG4」が次々デビュー
新連載が始まります。題して「1975~そのときニューミュージックが生まれた」。 音楽評論家のスージー鈴木と申します。日刊ゲンダイでは、今年の4月の頭まで「沢田研二の音楽1980-1985」と…