「美空ひばり」がいたからカレンの美声は日本の「国民的洋楽」になった
1975年の洋楽② カーペンターズ
当時もっともよく売れた「1975年の洋楽」といえば、何といってもカーペンターズである。
75年6月発売のアルバム「緑の地平線~ホライゾン」は、約20万枚を売り上げ、週間チャート1位に輝いた。そして前年末発売のシングル「プリーズ・ミスター・ポストマン」と、この年4月発売の「オンリー・イエスタデイ」は、洋楽でありながら、ベストテンに迫るほどのヒット。
つまりカーペンターズは「国民的洋楽」、さらには「ほぼ邦楽」だったのである。
この「国民的洋楽」という形容、単に売り上げ面だけでなく、音楽性についても、しっくりくる表現なのだ。
日本の老若男女が安心して楽しめる、高品質で清潔な音楽として、洋楽、ロックへの敷居がまだまだ高かった日本において、いち早く幅広い層に「国民的に」受け入れられたのである。
では、その魅力の本質は何だったのか。無論、カレン・カーペンターの歌だ。声だ。
うまい、最高、文句なし!