著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

「美空ひばり」がいたからカレンの美声は日本の「国民的洋楽」になった

公開日: 更新日:

1975年の洋楽② カーペンターズ

 当時もっともよく売れた「1975年の洋楽」といえば、何といってもカーペンターズである。

 75年6月発売のアルバム「緑の地平線~ホライゾン」は、約20万枚を売り上げ、週間チャート1位に輝いた。そして前年末発売のシングル「プリーズ・ミスター・ポストマン」と、この年4月発売の「オンリー・イエスタデイ」は、洋楽でありながら、ベストテンに迫るほどのヒット。

 つまりカーペンターズは「国民的洋楽」、さらには「ほぼ邦楽」だったのである。

 この「国民的洋楽」という形容、単に売り上げ面だけでなく、音楽性についても、しっくりくる表現なのだ。

 日本の老若男女が安心して楽しめる、高品質で清潔な音楽として、洋楽、ロックへの敷居がまだまだ高かった日本において、いち早く幅広い層に「国民的に」受け入れられたのである。

 では、その魅力の本質は何だったのか。無論、カレン・カーペンターの歌だ。声だ。

 うまい、最高、文句なし!

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