多くの「ニセフォルニア」を生んだ西海岸ブームの導火線に
1975年の洋楽③イーグルス
前々回取り上げたクイーン、前回のカーペンターズに比べたら、1975年段階での日本における人気や売り上げは、それほどではなかった。しかし、この年あたりから、日本でも支持され始めるのが、イーグルスである。
アメリカではこの年、シングル「呪われた夜」が大ヒットしているのだが、日本における人気を決定付けるのは、翌年末発売の大ヒットアルバム「ホテル・カリフォルニア」を待たなければいけない。
さて、日本の「ニューミュージック」に影響を与えた洋楽バンドはと聞かれれば、私なら、イーグルス、そしてクイーン、ボストンだと答える。
例えば、70年代後半、バンド化・ロック化していくオフコースのサウンドには、この3つのバンドの影響、すべてが詰まっているように感じるのだが。それはともかくとして。
先の洋楽3バンドの中でも、イーグルスは、ファッションから思想面まで含む、いわゆる「西海岸ブーム」の中で捉えられた分、影響は、より広く深かったように思うのだ。
西海岸ブーム──そう、76年創刊する雑誌「POPEYE」(平凡出版、現マガジンハウス)が火をつけた、ウエストコーストだ、サーフィンだ、サンタモニカだ、UCLAだ……という、あのブームの中核をなす音楽として捉えられたのである。