「いろいろしあわせ」阿川佐和子著│「とんでもございません」で叱られて。クスッと笑える阿川家の日常
「いろいろしあわせ」阿川佐和子著
阿川佐和子の父、阿川弘之は作家なので言葉遣いにはうるさかった。佐和子が年配の婦人にお礼を言われ、「とんでもございません」と返事をしたら、父に「とんでもございませんという日本語はございません」と叱られた。「とんでもない」の「ない」は否定形ではなく、「はかない」などと同様、それで一語なのだと。
佐和子の友だちが「おじさま、これ、お食べになりますか?」と菓子をすすめたら、「『お食べになりますか?』とはなんだ。『召し上がりますか?』と言いなさい」と言って、その饅頭をぱくりと食べた。(「消えゆく言葉」)
思わずくすりと笑いたくなるような日々を描いたエッセー。 (晶文社 1870円)


















