シネマの本棚
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80年代映画風のしぐさで描く男と女の人間関係
ずーっと昔の話だが、森田芳光監督と一緒にテレビに出たことがある。初めての劇場公開作「の・ようなもの」が深夜番組で紹介され、なぜかコメンテーターに引っ張り出されたのだ。1981年だから彼は31歳、こっ…
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他人の夢に登場する教授がSNSでバズるも…
大統領選のアメリカに行ってきた。投票日前夜の最後のトランプ支持者集会にも参加したが、午前0時過ぎにやっと登場した本人の演説が終わったのはなんと2時半! 中身はいつものハッタリとハリスの悪口だ…
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奴隷から剣闘士になった男の復讐劇
古代の英雄史劇のたぐいはスペクタクル映画と呼ばれるが、原義は「見せ物」だ。古代世界を壮大な神話のように描き、海が真っ二つに割れるなど派手な見せ場がジャンル名の由来になった。 このスペクタクル…
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野良猫が根城にする境内を仲立ちに描く人模様
「観察映画」を標榜するドキュメンタリー映画作家・想田和弘の最新作「五香宮の猫」が先週末公開された。6年間で4作目。テレビでなく劇場公開が主なドキュメンタリストとしてはハイペースだろう。 岡山県…
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「ジョーカー」になった男のその後
かつて日本映画界は続編やシリーズものが主流だったが、いまはほんの一部に過ぎなくなった。他方、昔の米映画界は続編をあれほど小バカにしたのに、いまやフランチャイズと称する二番煎じだらけだ。 そん…
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高校を舞台に描く社会の無関心や監視
もはや社会の分断は修復不能といわれるアメリカ。娯楽映画だとここまで極端な話にしないと真実味が出ないのか、とため息が出るのが来月初めに公開予定の「シビル・ウォー アメリカ最後の日」だ。 選挙結…
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力道山そっくりの刑事が腕力ひとつで悪漢を倒す!
コロナ禍を機に不振と伝えられる韓国映画界だが、例外が巨漢のアクション俳優マ・ドンソク主演の「犯罪都市」シリーズ。第1作は「青少年観覧不可」に指定されながら興収で群を抜いた。 今月末公開予定の…
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対中の理髪店を舞台に描く小さな冒険の物語
とぎれることなく続く、静かな台湾ブーム。来月下旬に公開予定の「本日公休」は台湾映画好きにはむろん、これまでなじみのない人にもわかりやすい入門編になる一作だろう。 台湾第2の都市・台中の町はず…
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美談抜きで商業映画の水準にあるお気楽自主映画
暑い。なんといっても暑い。何も考えずアタマをからっぽにできる暑気払いはないものか、と心が動く。 今週末封切りの「侍タイムスリッパー」は題名からしてお気楽映画の気配十分だ。 幕末、長州…
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村上春樹の複数の短編を“リミックス”した仏アニメ
同じ街を写しているはずなのに、外国人の撮った写真や映画の東京が、まるで異世界のように見えて驚かされることがある。 先週末から公開中の「めくらやなぎと眠る女」は、そんな“異次元の東京”を背景に…
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伝説のドキュメンタリーに映る平和だった世界
7月に入ったとたん、うだるような暑さ。そこに折よくリバイバル公開されたのが「エンドレス・サマー デジタルリマスター版」だ。1966年、20歳そこそこの若者ふたりが理想のサーフィンスポットを探して世界…
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軍規違反覚悟で救助を選んだ艦長の苦悩
かつて戦には名誉が不可欠だった。ウクライナやガザを思うと信じがたいが、それもまた人類史の一部だ。 今週末封切りの「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」。イタリアとベルギーの合作による戦記映画で…
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強欲な家主と出会い清貧な父に苛立つように
1990年代をつい昨日のように感じるのは年をとった証拠だろうか。思えばもう30年も昔なのだ。スマホもSNSもなく、冷戦終結後の狂騒も希望に彩られたあのころ。フェイクニュースが憂鬱な昨今とは大違いの、…
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上官の覚えめでたい新兵に罠を仕掛け破滅に
軍隊はいうまでもなく武力集団だが、それ以上に儀礼的な集団でもある。 厳密な階級制と命令系統。延々と繰り返される「気をつけ」と「休め」。考えるより先に動く体。礼装となれば兵卒でさえ胸に軍歴章を…
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パリ郊外の移民団地をめぐる行政と住民の闘い
四半世紀近く前、スウェーデンで移民排斥の調査をしたことがある。ある自治体が移民排斥の条例を決議したのを政府が強引に止めに入ったのだ。表面的な観光イメージとは裏腹に重工業が盛んなスウェーデンは、早くか…
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数々の映画が「男目線」であることを明らかに
ちかごろ耳にすることの多い新語に「構造的差別」というのがある。「構造的人種差別」は慣習化された社会制度の中で一筋縄では解決できなくなっている人種差別のこと。同じように「構造的性差別」もある。これを娯…
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記者らが伝えるニュースの裏側にある生きた現実
戦争特派員というけれど、その多くはストリンガーと呼ばれる契約の取材記者だ。危険な前線取材の大半は、そういう人々が現場を担っている。 彼らの取材はごく一部のみがニュースに使われる。映像も断片の…
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推しの実刑に心壊された同志女子たちの声を求めて
オタクという言葉が出てきたのは40年も昔だが、当初の陰気な影は既にない。いまでは多数の亜種も登場、そのひとつが「推し活」だ。この奇妙な関係をめぐる韓国のドキュメンタリーが現在公開中の「成功したオタク…
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美術館からサックラー展示室を排除する戦術は…
てっきりアーティストの仕事や人間を描く芸術ドキュメンタリーだと思っていたら全然違った、というのが今回の映画。今週末封切りの「美と殺戮のすべて」である。 取材対象はアメリカの写真家ナン・ゴール…
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夢幻的な砂漠の映像を心理描写に生かした続編
シリーズものの映画には2種類がある。ひとつは、主役などは同じだが毎回の筋は独立した「1話完結型」。代表が007だ。もうひとつは連続したストーリーでキャラクターの運命が変転する「大河小説型」。こちらは…