復活優勝でも見え隠れする大の里の課題 幕内上位陣のわずかなズレで予期せぬ展開になった9月場所
■わずかなズレが……
それにしても今、優勝争いは本当に読めない! もう、横綱も含めて幕内上位は力が拮抗しているのだ。ゆえに15日間という長いスパンの中で、心技体の何かにちょっとでもズレが生じると、好調力士でも一転、負けが込む。
私は場所前、「本命」に大関昇進がかかる熱海富士を挙げていた。巨体を武器に前へ前へ出ることを覚えて、7月の名古屋場所で12勝。いま一番勢いがあるとみたからだ。
現にこの場所も、得意の右四つに十分には組めなくても前へ出て白星を重ねていった。10日目には腰の重い大関琴桜を一方的に押し出し2敗をキープ。トップの大の里と1差とし、賜杯も大関も引き寄せつつあったのだ――。
ところがそこから5連敗。14日目には、平幕の狼雅にも上手投げで倒された(最終成績は8勝7敗)。
熱海富士に何が起きていたのか。八角理事長(元横綱北勝海)は「精神的なもの」と、心技体の「心」を指摘する。
さて数字上は、来場所13勝で昇進目安の33勝に届く。ただ数字以上に、「終盤5連敗」という内容が響いてくるのではないか。まだ若い。熱海富士、また一からいこうではないか。
同じく予期せぬ展開となったのは、綱とり場所だった大関霧島。千秋楽に勝ってからくも勝ち越す事態に。ことに中日からは3連敗。うち2敗は平幕相手だった。場所の前まで、3場所連続12勝と安定感を誇っていた霧島をもってしても、一歩歯車が狂うとこうなってしまう。今の幕内上位の戦いは本当に熾烈だ。


















