元大関貴景勝・湊川親方〈3〉「現役時代は否定意見への反骨心、一部の応援者のために頑張っていました」
NHKで大相撲中継の実況を長く務め、通称「しまなみ親方」として知られる吉田賢アナウンサーが、日本相撲協会の親方と対談する本企画。第2弾は今年1月から常盤山部屋を継承し、師匠となった元大関貴景勝の湊川親方。現役時代は最後まで相撲が好きではなかった、と語る理由とは──(※対談の実際の様子は日刊ゲンダイ公式YouTubeチャンネルの「しまなみ親方の大相撲日刊ゲンダイ場所」から視聴できます)。
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吉田アナ(以下、吉田) 親方は現役最後の頃、首のケガでかなり苦労されていました。苦しい場所が続いていたじゃないですか。
湊川親方(以下、湊川) そうですね。
吉田 当時は「こうしたいろいろな経験をして、いろいろな苦労をすることが将来につながるんです。将来にプラスになると思います」というふうにおっしゃってましたけど、そのあたりはどうですか。
湊川 やっぱり経験して良かったと思います。今の指導にも生きているし、4回も優勝させていただいた。現役時代は素晴らしい経験もありましたけど、8割9割はきつい、しんどいことの方が多かった。でもその1割、4回の優勝で全て報われた、という気持ちがあります。本当に現役の時はきつい思い出ばかりですよ。だから弟子がきついという気持ちもわかるし、稽古をしたくないって気持ちもわかるんですね。僕も毎朝まわしを締める前は気分が落ちていたし、「今日はやりたくない」「やる気出ない」っていう時もありました。
吉田 それは特に首のケガ以降が顕著だった?
湊川 そうですね。(ケガの影響で)やりたくてもできない、という日もあった。だけど、そこを乗り越えないと強くなれない。そういう意味ではこう……弟子にただ「やれ」と言うのではなく、彼らの気持ちを理解しながら、「でも、こういうふうにやらないと結果はつかめないよ」という言い方ができるようになった。
吉田 今まさに若ノ勝関(23)が幕内に上がり、好成績で来ている矢先にケガで9月場所を休場してしまった。本人も苦しい部分もあると思いますが、そうした弟子に接する時にも、親方の経験が生きている。
湊川 そうですね。僕も同じ23歳手前でケガをした(当時大関)。周りから「強くなったね」「横綱もすぐに上がれるんじゃないか」と言ってもらっている中で、右膝を痛めた。そこから(右膝の状態が良くなるまで)きつい半年間を過ごしましたね。だからこそ、若ノ勝は今が踏ん張り時。「そこで終わっちゃダメだよ」と言葉をかけていますが、やはりケガを反骨心に変えて、(稽古で)吸収するものは吸収して、何かを学びながら治していけ、ということも言っています。若ノ勝もまだ若いですからね。ちゃんとケガを治させて、また勝負をさせたいですね。


















