浜田省吾
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苦境脱出の賭けに出た野音に「壁にむかって」が響いた
愛奴の「失敗」(とあえて言う)は、プロデュースの不在ということに尽きると思う。 結果、バンドとしてのコンセプトが曖昧のまま、バラバラな音楽性、チグハグなアイデアが、一緒くたになってしまった。 このままではよくないと思...
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ソロデビュー曲で歌われる 熱い思いを感じる3曲
アルバム「愛奴」に収められた浜田省吾がリードボーカルの4曲を聴く。 まずは1曲目の「愛奴のテーマ」。いきなりつまずく。変な曲だなぁ……。 田家秀樹はこう表現する。「陽のあたる場所 浜田省吾ストーリー」(角川文庫)から...
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不発の要因は個性を打ち消すバンドの「民主主義性」にある
愛奴のシングル「二人の夏」は期待むなしく売れなかった。そして同日に発売されたアルバム「愛奴」もまた売れなかった。 と書いて、まずやっぱりバンド名(=タイトル名)「愛奴」がしんどいと思ってしまう。日本語で、漢字で他のバンド名と...
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会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった
記念すべき愛奴のデビューシングル。 作詞・作曲は浜田省吾。しかしリードボーカルは浜田ではなく、ギターの青山徹が担当した。のちに浜田が大ロックボーカリストになることなんて、メンバーどころか、浜田本人さえ想像していなかったであろ...
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本気で形から入った浜省のビーチ・ボーイズへの憧憬
バンド「愛奴」のメンバーとしての浜田省吾のデビュー曲。 メンバーは5人。青山徹(ギター)、町支寛二(ギター)、山崎貴生(キーボード)、高橋信彦(ベース)、そして浜田省吾(ドラムス、パーカッション)。ボーカルは高橋以外全員が担...
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浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件
「おい、浜田がな、今ドラム叩いとるらしいぞ」 石田伸也「吉田拓郎 疾風伝」(徳間書店)という本にある、浜田省吾の同級生が耳にした言葉である。 1972年に結成されたバンド「愛奴」で、浜田省吾はドラムスを担当する。しかし...
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「キャロル」でのジョニー大倉の先見性とボーカルはもっと評価すべき
この連載では、1975年にデビューした山下達郎、浜田省吾、中島みゆき、矢沢永吉を「BIG4」としてくくるのだが、矢沢永吉の場合は「ソロデビュー」であり、バンド「キャロル」としては3年前にすでにデビューしているので、他の3人とは少々意...
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ニューミュージックとは「戦後生まれ世代による自作自演音楽」のムーブメントだ
前回はタイトルにある「1975」の話をしたので、今回は「ニューミュージック」の概論を語っておきたい。 「そのときニューミュージックが生まれた」の「ニューミュージック」って何じゃらほい、という話。 その答えは、この連載の...
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今にも通じる重苦しい時代にヒットした音楽だからこそ、振り返る意味も価値もある
拓郎、陽水、ユーミンという「GREAT3」が君臨し、達郎、浜省、みゆき、永ちゃんという「BIG4」がデビューした1975年。音楽シーンを取り巻く時代全体は、どんな雰囲気だったのか。 私の小3の頃の記憶をたどると、今=2025...
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浜田省吾88年野外ライブ「A PLACE IN THE SUN」限定公開 古希を迎えても人気変わらぬワケ
シンガー・ソングライター浜田省吾(70)のライブ映画が好評だ。 浜名湖畔の渚園で1988年夏、浜田にとって3度目の野外ライブとなった「A PLACE IN THE SUN」。その16ミリフィルムで撮影された映像を、4Kデジタ...