永田町の裏を読む
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立憲民主党が「次期衆院選で150議席」は夢のまた夢か
立憲民主党の泉健太代表が5月10日の両院議員懇談会で、「次期衆院選で150議席以上獲得できなければ代表を辞任する」と大見えを切った。同党のベテラン議員に感想を聞くと、「現有97ですからね。今の実力か…
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憲法論議がいまひとつ盛り上がりに欠ける3つの理由
今年の5月3日(憲法記念日)前後の憲法論議は、いまひとつ盛り上がりに欠けたという印象がある。第1の理由は、改憲の旗振り役だった安倍晋三元首相の不在だろう。 2013年の「96条お試し改憲」論…
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統一地方選と衆参補選の低投票率、無投票当選に考える「民主主義とは何なのか」
今回の統一地方選、衆参補選の結果を見て改めて驚くのは、投票率の低さである。 4月9日投開票の前半戦では、9道府県知事選が平均46.78%、また41道府県議選が41.85%で、いずれも過去最低…
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統一地方選で維新が躍進しても自公連立政権が続く本当の理由
統一地方選の前半では日本維新の会の躍進が目立った。本拠地の大阪では、すでに過半数を握っていた府議会に加え市議会でも初めて過半数を獲得。加えて北海道や関東、四国、九州の13道県での初議席を含め地方議員…
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高市早苗大臣が表舞台から消え去り、残された放送法の解釈問題
4月9日投開票の統一地方選第1弾の結果の中で、直接に政局に影響があるのは、奈良県知事選だろう。同県連会長の高市早苗=経済安保相が、自分が総務相時代に秘書官だった元総務官僚を新人として立候補させると決…
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「戦闘的リベラル」の気風を持っていた鈴木邦男さんとの思い出
日曜日に「鈴木邦男さんを偲び語る会」が開かれ、私も発起人のひとりとして出席した。言わずと知れた新右翼団体「一水会」の初代代表で、極右から極左までの幅広い交友を背景に独特の反権力論調を繰り出して多くの…
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「自由に意見を述べる権利」はあっても上部がそれを黙殺する共産党
3月25日付「毎日新聞」電子版が、共産党のあり方を憂える内容の本を出版した2人の古参党員を同党が相次いで除名したことについて、「こうした強硬姿勢には党内から疑問の声も出て」いて「無党派だが共産党に投…
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「袴田事件」再審開始 この国で冤罪事件がたびたび起こる原因を改められるのか
「袴田事件」の裁判やり直しを認めた東京高裁の決定に対して、検察当局は20日、特別抗告を断念した。今後開かれる再審で無罪となることはほぼ確定的である。 周知のようにこの事件は、1966年に静岡県…
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3.11から12年…なお福島に押し付けられる政府・東電「原発事故のツケ」
3.11から12年という日を迎えて、最も腹立たしいのは、故安倍晋三首相がブエノスアイレスで全世界に向かって放った大嘘とは反対に、放射能汚染水は今なおコントロール不能なほどの勢いで増え続けていて、政府…
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岸田首相が願望するサミットの「成功」とは何なのか
昨秋来、内閣支持率の低迷にあえぐ岸田文雄首相は、5月に広島G7サミットを派手に演出して政権浮揚のきっかけを掴むことに懸けているといわれる。彼が願望するサミットの「成功」とは何なのか、旧知の元外交官に…
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存在感をジワリ高める自民党・石破茂元幹事長の「日中積極外交」論
石破茂=元自民党幹事長の存在感が(ジンワリとではあるが)上がっている。先々週の衆院予算委員会で久々に質問に立ち(ヤンワリとではあるが)岸田内閣の議論抜きの防衛費倍増計画を批判し、さらに先週の「サンデ…
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「リベラル」と「左翼=旧革新」は全く別の概念である5つの理由
先々週に文化放送の「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演したところ、番組パートナーの室井佑月が、私がどこかで「リベラルと左翼=旧革新の違い」について語っているのを読んで「目から鱗」の思いをしたと言う…
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いまや永田町は骸骨や亡霊が跋扈する「ゾンビ村」と化しつつある
先週発売された「安倍晋三回顧録」(中央公論新社)で安倍晋三が「財務省が私を引きずり下ろそうと画策した」、森友学園事件も「私の足をすくうための財務省の策略の可能性がゼロではない」と語っているのを知って…
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「異論を許さない」という共産党の気風が組織の発展を妨げている
共産党の元本部職員で安保・外交政策部長まで務め、その後は一介のヒラ党員として活動してきた松竹伸幸という方が、先月『シン・日本共産党宣言』と題した本を文春新書から出版し「党首公選制」の導入を訴えて話題…
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リベラルは旧態依然の思考に沈んで防衛論争から逃げるべきではない 革新の側にある根深い問題
国会論戦が始まって、岸田内閣の増税による防衛費倍増計画も大きな論点となりつつある。 しかし、立憲民主党の議論の持ちかけ方が「防衛予算倍増よりも子育て倍増が先」(25日、衆院本会議)というもの…
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岸田首相の施政方針演説からは国民に伝わってくるものが何もない
通常国会が始まったが、岸田文雄首相の施政方針演説を聞いて、まず気に入らないのは無用のカタカナ語や英語頭文字がこれでもかとちりばめられていることである。グローバリゼーションやシミュレーションくらいなら…
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トマホークは敵基地攻撃には使えない 米国からの爆買いを岸田首相はどう説明するのか?
岸田文雄首相を迎えたホワイトハウスは「お祝いムード」だったと、米シンクタンクの研究員が述べている(15日付朝日新聞)。 そりゃあそうだろう、岸田内閣はいわゆる「反撃能力」を飛躍的に向上させ北…
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不可能なことをやるために防衛費を倍増させる岸田首相の詭弁
岸田文雄首相の言う「反撃能力」とは、一種の言葉遊び、もっと言えば、言葉の意味をズラしたり曖昧にして物事の本質を隠そうとする詭弁術で、彼の師匠は故安倍晋三である。 「反撃」というと、相手国が先制…
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2023年は戦争準備と旧統一教会という安倍政治の遺産の清算に苦しむ年になるのか
元旦の新聞は分厚いばかりで読むところがほとんどないのだが、それでも新しい年に各紙が何に力点を置いて報道していくつもりかを占う指標にはなる。 今年はとりわけ読売が突出的で、元旦1面トップは「日…
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メディアによって気づかないうちに刷り込まれる“偏見”が支える「防衛費倍増政策」
テレビのワイドショーなどでは、言葉の言い換えという一種のサブリミナル効果が常に仕掛けられていて、朱建栄=東洋学園大学教授に言われて私も初めて気が付いたのだが、同じ街頭設置カメラでも日本国内の場合には…