新緑の季節到来でGWは登山したいけど…心得たい中高年の遭難事故が相次ぐ3つの背景
「昔はこれくらい、平気で登れたんだけどな…」登山口でそんな言葉を口にする中高年は少なくない。だが、その“感覚”こそが、いま最も危うい。低山歩きを趣味とし、登山情報サイトなどでも執筆をする著者が警告する。
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近年、山岳遭難の統計を見ると、事故の中心は若者ではなく中高年だ。警察庁が発表した「令和6年における山岳遭難の概況等」によれば、同年の遭難者全体のうち60歳以上は50%。また、死者・行方不明者では60歳以上が全体の64%を占めている。かつては体力のある若年層の無謀登山が問題視されたが、いまや様相は一変している。
なぜか。第一に挙げられるのは、「経験の罠」だ。中高年の登山者の多くは、若い頃に山を経験している。ルートの読み方、装備の扱い、天候の変化。一通りの“勘”は身についている。そのため、自分を初心者とは認識しない。だが、体力や判断力は確実に変化している。
特に問題なのは、“自己評価のズレ”だ。人は過去の成功体験を基準に現在の能力を測りがちだが、加齢による筋力低下や持久力の衰えは、想像以上に大きい。下山時の転倒や滑落が多いのも、疲労の蓄積に気づきにくいことが背景にある。


















