芳根京子「べっぴんさん」はNHK朝ドラ〈ヒットの法則〉を実践していた
今からちょうど10年前、2016年10月に新たなNHK連続テレビ小説がスタートした。芳根京子主演「べっぴんさん」だ。
当時、朝ドラで支持を受けた作品には、〈ヒットの法則〉ともいうべき共通点があった。それは女性の一代記、職業ドラマ、成長物語、そして実在の人物であることだ。かつての「あまちゃん」のように、ある時期に限定した物語ではなく、幼少時から成人、さらに中高年へと至る半生を描く。ヒロインは職業を持ち、自立へと向かって成長していく。しかも、それが実在の人物というのがヒットパターンになっていたのだ。
たとえば、「カーネーション」のモデルはデザイナーのコシノ3姉妹の母・小篠綾子だ。「花子とアン」は翻訳家だった村岡花子。「あさが来た」では実業家の広岡浅子。「とと姉ちゃん」は雑誌「暮しの手帖」の創業者、大橋鎭子だった。そして「べっぴんさん」のヒロイン、坂東すみれ(芳根)のモデルは、子ども服の「ファミリア」を起こした坂野惇子だ。
これらの作品の多くが、昭和前期を主な背景としている。朝ドラの視聴者層の大票田は女性であり、ご高齢の方もたくさんいる。戦中から戦後という激動の時代は、自分史と重ねながら感情移入しながら見てもらえるという意味で貴重なのだ。


















